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「成長するしかない」パリ世代で最も伸びた男・高井幸大…五輪で得た課題と自信、芽生えた海外への意欲

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DF高井幸大

[8.2 パリ五輪準々決勝 U-23日本 0-3 U-23スペイン リヨン]

 パリオリンピックの戦いで、かけがえのない経験を得たようだ。U-23日本代表DF高井幸大は「すばらしい大会だった。自分の今の立ち位置がすごくわかった。がんばりたい」と振り返った。

 パリ五輪ではグループリーグ2試合で完封に貢献。第3節はベンチで温存され、満を持してスペイン戦に臨んだ。だが、優勝候補の攻撃を浴びた。「結局3失点してしまったところが勝敗を大きく分けたところ。前半1点目を取られるまで、正直自分たちのペースがつかめなかった」(高井)。ギリギリで耐え続けたが、後半2失点で終戦した。

 早すぎた失点に悔いをのぞかせた。「プレスのところもあまりハマってなかった。ゲームの入りというのは、もっと学ばなきゃいけないなと感じた」。忘れることのない敗戦になった。

 日に日に増していく逞しさに目を見張った。昨年9月、バーレーンで行われたU23アジアカップ予選でパリ五輪を目指すチームに初招集された。飛行機のなかで寝ながら19歳の誕生日を迎え、バーレーンの練習では猛暑で疲れ切っていた。招集当初パリ五輪につながる大会とは知らなかったとのんびり。試合ではまだ良さを発揮できていなかった。

 川崎フロンターレでは波のあるプレーを見せながらも、着実に実戦経験を積んだ。日の丸を着けることで成長スピードはさらに加速。今年4月にカタールで開催されたU23アジア杯では攻守に存在感を見せつけた。

 世界と戦うことで心身ともに迫力が増した。パリ五輪を経て自信と成長という言葉を強調する。

「自信を持ってやれば、対等以上にやれることはわかった。でも、相手のレベルが上がってくるなかで自分たちがどれだけできるかというのは、自チームに帰ってから成長するしかないと思う。成長したいと思います」

 海外のビッグクラブでプレーする選手たちと対等に戦った。そのことは、ひとつの意欲につながったようだ。「この選手たちと毎日ポジション争いをすることはすごく厳しいことだけど、自分にとって成長することだと思う。現実になるかわからない。だけど、そこを目指していきたい」。さらなる成長の場を求め、国外に目を向けていた。

(取材・文 石川祐介)

●パリオリンピック(パリ五輪)特集(サッカー)
石川祐介
Text by 石川祐介

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