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中東経験豊富なDF谷口彰悟、夜でも酷暑のバーレーン戦へ「この気候は嫌でも頭に入ってくる」

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DF谷口彰悟(シントトロイデン)

 中東の戦いは熟知している。日本代表DF谷口彰悟(シントトロイデン)が北中米W杯アジア最終予選バーレーン戦を翌日に控えた9日の練習後、報道陣の取材に対応。夜でも気温30度を越える酷暑でのアウェーゲームに向け、「この気候は嫌でも頭に入ってくるし、考えてしまう状況にある。スマートに戦っていかないといけない」と注意を呼びかけた。

 谷口はカタールW杯後の2022年末から今年夏までの1年半、カタールのアルラーヤンに在籍。カタールリーグはバーレーンよりも空調などの設備が整った環境ではあったが、中東でのナイトゲームを誰よりも多く経験してきた実績を持つ。

 そんな谷口は敵地でのバーレーン戦に向け、ゲームコントロールの重要性を指摘する。「全部が全部高いインテンシティーでできるとは思っていない。チームとしてパワーを出すところをしっかり合わせていかないと少し間延びしたゲーム、メリハリのないゲームになってしまう。チームとしてどこでどうパワーをかけてボールを奪いに行くか、ゴールを取りに行くかをしっかり合わせていくことが大事。ピッチの中でのコミュニケーションが大きなポイントになる」と力を込めた。

 日本代表は6月シリーズから3-4-2-1のシステムを採用している中、谷口は3バックの中央で2試合にフル出場。バーレーン戦でも同じシステムで臨むことが見込まれており、引き続きDFリーダーの役目を担うことになりそうだ。

 バーレーンはFIFAランキングでC組4番手の序列だが、初戦で同2番手のオーストラリアを破った侮れない相手。日本は今年1月のアジア杯ラウンド16で3-1の勝利を飾った実績はあるものの、大会後に就任したドラガン・タライッチ監督のもとでシステムも選手も一新されており、想定外の出方をしてくる可能性もある。

 谷口はそんなバーレーンとの対戦を前に「狙いとしてはまずは相手がどう来るかを見ないといけないと思う」と展望。「ロングボールを蹴ってくるのか、つないでくるのか、シンプルに入れてくるパターンもあるし、前からこっちが行けないパターンも考えられる。いろんな状況を考えていかないといけないというのはみんなとも話している」と述べ、チーム内では意識の共有が進んでいることを明かした。

 そこで試されるのは試合の中での対応力だ。

「もちろん前から行って、奪ってショートカウンターで得点を奪うのが一番理想だけど、相手も僕らの1戦目を見て対策を取ってくると思うし、その中でどう戦ってくるかは僕らにとって合わせていかないといけない大事なポイント」(谷口)

 バーレーンにはGKエブラヒム・ルトファラーらキックの飛距離がある選手も並び、「ロングボールは警戒しているし、ロングボール一発で陣地を回復してくるようなプレーは十分に考えられる。それだからとズルズル引くと間延びした試合になってしまう」と警戒。その上で「スペースを与えてしまうとやられる選手が相手にも多いので、後ろの人間としてはできるだけコンパクトに、(最終ラインの)高さはもちろん考えるけど、ベースとしてコンパクトにというのを変えずにやっていかないといけない」と守備のコンパクトさに気を配る構えだ。

 欧州組が大半を占める日本代表において、気候への慣れで後れを取るのは仕方がない。「(暑さは)バーレーンの選手も絶対にキツいと思うけど、試合のやり方は慣れていると思う。そこはどれくらいのパワーでやるとか、90分間のスタミナの使い方は経験が活きると思う。その辺はバーレーンの選手の有利なところになる」。そう谷口も認めるところだ。

 しかし、勝つ確率を上げるためには、あらゆる面で相手を上回っていく必要がある。「そこで負けたくない。ベースは走ることだし、戦うことだし、そのベースで絶対に上回られたくない。みんな覚悟を持って明日ピッチに立つつもりだし、総力戦になると思うのでみんなで戦って勝ち点3を奪いたい」。苦しい時間帯も想定される酷暑のアウェーゲーム。中東経験豊富な33歳のDFリーダーが後方からチームを支えるつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

●北中米W杯アジア最終予選特集
竹内達也
Text by 竹内達也

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