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久保建英、敵地サウジ戦は過去3戦全敗も「そんなちっぽけなことを見ている選手はいない」

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日本代表のMF久保建英(ソシエダ)

 過去3戦全敗の鬼門にも気負いは全くなさそうだ。日本代表のMF久保建英(ソシエダ)が9日、北中米ワールドカップアジア最終予選サウジアラビア戦の前日練習後、報道陣の取材に応じ、6万人の大観衆が詰めかけるアウェーゲームに向けて「個人的には満員でアウェーのほうがいいプレーをしがちなので、僕としてはそのほうが嬉しい」と冷静に意気込みを語った。

 日本代表は2006年9月3日のアジア杯予選に0-1で敗れたのを皮切りに敵地ジッダでのアウェーゲームに3戦全敗。近年も17年9月5日のロシアW杯最終予選、21年10月7日のカタールW杯最終予選で0-1の敗戦を喫しており、分の悪い相手だと言える。

 特に過去の最終予選2試合が行われ、10日の試合会場でもあるキング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアムは6万人の相手サポーターが集結する難所。すでにサウジアラビアサッカー連盟はチケットの完売を発表しており、必勝ムードを作ってくることは間違いなさそうだ。

 それでも久保は前日練習後、「歴史を変える試合になる」といった主旨の報道陣の問いかけに対し、“たった3試合”と言わんばかりに冷静にかわした。

「統計学的に言えばいつか勝てると思う。データなのであまり気にせずに。勝ったからと言って、そんなちっぽけなことを見ている選手はいないと思う。歴史を変えるみたいに大々的に報道されても、僕らにとってプラスじゃない。しっかり勝ち点3を取っていきたいなと思います」

 これがW杯などの大舞台となれば話は別だろうが、久保にとっては最終予選の1試合。それ以上でもそれ以下でもなく、レベルの高い一つの対戦相手としてサウジアラビアと向き合おうとしているようだ。

「勝たなきゃいけないのは向こうなので、0-0でいったら向こうのほうが焦れてくるんじゃないかなと思う。あまりこうしようというのはない。いざチャンスがあったらいつも通りのプレーをすれば問題ない」

 対戦相手の置かれている状況も把握済みだ。

「いまのサウジは(外国選手の)大型補強の影響もあってリーグであまり出られていない選手がほとんどだと思うけど、そのぶん溜まったストレスみたいなものを代表戦でぶつけようという選手も多々いると思う。そのあたりを警戒したい」

 試合会場のキング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアムは風通しが悪く、激しい蒸し暑さに包まれることが予想されるが、暑熱対策についても「暑いけど(9月の)バーレーンと比べたら……という感じ」と冷静。日本の攻撃を担う23歳は平常心で強豪国との大一番に挑んでいくつもりだ。

(取材・文 竹内達也)

●北中米W杯アジア最終予選特集
竹内達也
Text by 竹内達也

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