”十八番”右手一本ストップには「そこまでビッグセーブとは捉えていない」GK鈴木彩艶がW杯予選3戦完封
[10.10 W杯最終予選第3戦 日本 2-0 サウジアラビア ジッダ]
もはや”十八番”になっている右手一本でのセーブ。日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)がたくましいプレーで強敵のサウジアラビアの攻撃を封じた。
完全アウェーのジッダで2-0の無失点勝利に貢献。9月のバーレーン戦、中国戦に続き、北中米W杯アジア最終予選で3戦連続クリーンシートを演じた若き守護神は「このアウェイでのゼロ(失点)は次につながる」と胸を張った。
守備機会がほとんどなかった9月の2試合とうってかわって、サウジアラビア戦では立ち上がりからボールを処理する場面がたびたび訪れた。しかし、彩艶はつねに落ち着き払っていた。
前半9分にはFWサレム・アルダウサリのシュートを難なくキャッチ。ロングフィードもビルドアップもどれもスムーズで、ピッチ全体に落ち着きを波及させた。国際Aマッチ出場わずか4試合でゴールマウスの門番を任された1月のアジアカップで見せていたような不安定さはまったくなかった。
9か月前とは比べものにならない安定感。それは、前所属のシントトロイデンでシーズンを通じて正GKとして戦い、この夏からイタリアへステップアップし、そこでもさらに高評価を受けている自信から生まれたものだろう。彩艶は「こういう大事なゲームの中でも力を入れすぎないで、もちろん入り込むことは大事ですけど、しっかりとリラックスしながら良い状態でプレーできている。アジアカップと比べると余裕を持ってできているように思う」と分析している。
サウジアラビア戦では味方守備陣の奮闘にも助けられた。前半28分にはカウンターから波状攻撃を受けたが、町田浩樹が、守田英正が、遠藤航が体を張ってつぎつぎとシュートをブロック。コーナーキックのピンチの場面では「僕が出なくても味方の選手がはじき返したり、体を当てることで枠内に飛んでこなかった。ショートコーナーやロングスローのところも中の選手が準備を早くすることができていたし、声も出ていた」(彩艶)と仲間を称えた。
そして、この日の彩艶のハイライトは前半42分。DFサウド・アブドゥルハミドが打った強烈なミドルシュートを右手一本で弾き飛ばしたプレーは、屈強なフィジカルを持つ彩艶ならではのビッグセーブだった。ただ、彩艶自身は「飛んできたシュートに対しては常に準備していますし、自分としてはそこまでビッグセーブとはとらえていない」と言う。その言葉どおり、パルマでも代表合流直前の6日に行われた第7節ボローニャ戦で相手の強烈なミドルシュートを右手一本で弾いて好セーブ。浦和時代にも右手一本でセンターサークル付近まで球を飛ばしていた。
相手DFの背後を突くロングフィードを含め、持ち味をはっきりと可視化させてきた彩艶。アジア最終予選のゴールを守り切るイメージも膨らんできた。
(取材・文 矢内由美子)
●北中米W杯アジア最終予選特集
もはや”十八番”になっている右手一本でのセーブ。日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)がたくましいプレーで強敵のサウジアラビアの攻撃を封じた。
完全アウェーのジッダで2-0の無失点勝利に貢献。9月のバーレーン戦、中国戦に続き、北中米W杯アジア最終予選で3戦連続クリーンシートを演じた若き守護神は「このアウェイでのゼロ(失点)は次につながる」と胸を張った。
守備機会がほとんどなかった9月の2試合とうってかわって、サウジアラビア戦では立ち上がりからボールを処理する場面がたびたび訪れた。しかし、彩艶はつねに落ち着き払っていた。
前半9分にはFWサレム・アルダウサリのシュートを難なくキャッチ。ロングフィードもビルドアップもどれもスムーズで、ピッチ全体に落ち着きを波及させた。国際Aマッチ出場わずか4試合でゴールマウスの門番を任された1月のアジアカップで見せていたような不安定さはまったくなかった。
9か月前とは比べものにならない安定感。それは、前所属のシントトロイデンでシーズンを通じて正GKとして戦い、この夏からイタリアへステップアップし、そこでもさらに高評価を受けている自信から生まれたものだろう。彩艶は「こういう大事なゲームの中でも力を入れすぎないで、もちろん入り込むことは大事ですけど、しっかりとリラックスしながら良い状態でプレーできている。アジアカップと比べると余裕を持ってできているように思う」と分析している。
サウジアラビア戦では味方守備陣の奮闘にも助けられた。前半28分にはカウンターから波状攻撃を受けたが、町田浩樹が、守田英正が、遠藤航が体を張ってつぎつぎとシュートをブロック。コーナーキックのピンチの場面では「僕が出なくても味方の選手がはじき返したり、体を当てることで枠内に飛んでこなかった。ショートコーナーやロングスローのところも中の選手が準備を早くすることができていたし、声も出ていた」(彩艶)と仲間を称えた。
そして、この日の彩艶のハイライトは前半42分。DFサウド・アブドゥルハミドが打った強烈なミドルシュートを右手一本で弾き飛ばしたプレーは、屈強なフィジカルを持つ彩艶ならではのビッグセーブだった。ただ、彩艶自身は「飛んできたシュートに対しては常に準備していますし、自分としてはそこまでビッグセーブとはとらえていない」と言う。その言葉どおり、パルマでも代表合流直前の6日に行われた第7節ボローニャ戦で相手の強烈なミドルシュートを右手一本で弾いて好セーブ。浦和時代にも右手一本でセンターサークル付近まで球を飛ばしていた。
相手DFの背後を突くロングフィードを含め、持ち味をはっきりと可視化させてきた彩艶。アジア最終予選のゴールを守り切るイメージも膨らんできた。
(取材・文 矢内由美子)
●北中米W杯アジア最終予選特集