バルセロナ時代の仲間たちが今や世界的スターに…「いつかは俺もそこに行きたいから」スペイン出身DF高橋仁胡(C大阪)が2度目のU-20W杯予選へ
U-20日本代表のDF高橋仁胡(C大阪)は今回のメンバーで唯一、2大会連続のAFC U20アジアカップ出場となる。
“飛び級”で4試合に出場した前回大会の経験も活かし、2大会連続のU-20W杯出場につなげるべく、「今回は自分の年齢で入るので前よりもいいプレーを見せたい。どんな大会かは分かっているし、前よりもいい準備ができると思う。良い準備をして優勝を取るために頑張りたい」と力強く意気込んだ。
日本人の母親とアルゼンチン人の父親を持ち、スペインで生まれ育った高橋は、名門バルセロナの育成組織で5年間を過ごした経験を持つ左SB。2022年にU-18カテゴリで日本代表に初めて招集されて以降、翌23年春には“飛び級”でU20アジア杯とU-20W杯のピッチに立ち、世代トップ選手として日の丸でのキャリアを切り開いてきた。
その一方、所属クラブではこの1年半、苦しい時期を経験してきた。U-20W杯後はケガにも苦しみ、バルセロナU19での出場機会から遠ざかると、バルセロナB昇格を果たせず、クラブを離れる形に。昨年夏からはC大阪で初のJリーグ挑戦を決めたが、半年間で公式戦の出場機会はなく、今季は巻き返しを期する1年となる。
もっとも当の本人はキャリアが再び上昇する兆しを感じているようだ。
C大阪では今季からアーサー・パパス新監督が就任。プレシーズンのキャンプでは「自分としてはパフォーマンスもめっちゃ良かった」と手応えを感じているといい、「監督が変わってやり方も違うけど、スペインのサッカーに似ている。アグレッシブなサッカーだし、SBは自由なポジションを取れるし、アダプトするのは簡単。前までやっていたサッカーに似ているので、今年はチャンスあるなと思う。こっちで頑張って帰ってきてからJリーグで試合に出たい」と言葉に自信をにじませる。
その好調ぶりは代表合宿の場でも随所に垣間見えた。今月1日に始まった全体練習では、早くもミニゲーム要素を交えた実戦的なメニューが取り入れられているが、高橋は左SBの主力組として鋭い上下動や豪快なクロスを披露。その好感触をU20アジア杯まで持続させるべく、「キャンプからだんだんコンディションを上げているので調子もいいと思う。これからもっと頑張りたい」とさらに突き進んでいく構えだ。
前回のU20アジア杯やU-20W杯を経験している立場としては、チームをまとめる働きにも期待がかかる。日本語でのコミュニケーションスキルはこの約1年半で飛躍的に向上しており、強気なメンタリティーを表現する準備は万端。「W杯を決める試合になればみんなメンタル的に強くおらんかったらすぐ沈んでしまうから、メンタルも大切だと思う。自分もできるだけみんなを助けたい」と意気込む。
また個人としても、再び世界への道筋を描き直すための大会になりそうだ。
かつてバルセロナの育成組織で共にプレーしていたというDFパウ・クバルシ、FWラミン・ヤマルは母国をEURO制覇に導いて世界に名が知られるスター選手となり、同世代のMFエクトル・フォルト、DFセルジ・ドミンゲスといった選手たちもラ・リーガで出番を獲得。パリ五輪の大会期間にはクバルシと連絡を取り、少なからず刺激を受けていたという。
「一緒にやっていた選手なのでそういうところに行っているのは自分も嬉しいし、そこまでになっていてすごいなと。ジェラシーとかじゃなく、俺ももっと頑張らなあかんなって。みんなが素晴らしいプレーをしているのは友達としても嬉しいし、頑張る気持ちにさせてもらってる。いつかは俺もそこに行きたいから」。その第一歩はアジアの舞台から。チームとしても個人としても結果を残し、彼らに並び立つような世界舞台への挑戦権を勝ち取る。
(取材・文 竹内達也)
●AFC U20アジアカップ2025特集
“飛び級”で4試合に出場した前回大会の経験も活かし、2大会連続のU-20W杯出場につなげるべく、「今回は自分の年齢で入るので前よりもいいプレーを見せたい。どんな大会かは分かっているし、前よりもいい準備ができると思う。良い準備をして優勝を取るために頑張りたい」と力強く意気込んだ。
日本人の母親とアルゼンチン人の父親を持ち、スペインで生まれ育った高橋は、名門バルセロナの育成組織で5年間を過ごした経験を持つ左SB。2022年にU-18カテゴリで日本代表に初めて招集されて以降、翌23年春には“飛び級”でU20アジア杯とU-20W杯のピッチに立ち、世代トップ選手として日の丸でのキャリアを切り開いてきた。
その一方、所属クラブではこの1年半、苦しい時期を経験してきた。U-20W杯後はケガにも苦しみ、バルセロナU19での出場機会から遠ざかると、バルセロナB昇格を果たせず、クラブを離れる形に。昨年夏からはC大阪で初のJリーグ挑戦を決めたが、半年間で公式戦の出場機会はなく、今季は巻き返しを期する1年となる。
もっとも当の本人はキャリアが再び上昇する兆しを感じているようだ。
C大阪では今季からアーサー・パパス新監督が就任。プレシーズンのキャンプでは「自分としてはパフォーマンスもめっちゃ良かった」と手応えを感じているといい、「監督が変わってやり方も違うけど、スペインのサッカーに似ている。アグレッシブなサッカーだし、SBは自由なポジションを取れるし、アダプトするのは簡単。前までやっていたサッカーに似ているので、今年はチャンスあるなと思う。こっちで頑張って帰ってきてからJリーグで試合に出たい」と言葉に自信をにじませる。
その好調ぶりは代表合宿の場でも随所に垣間見えた。今月1日に始まった全体練習では、早くもミニゲーム要素を交えた実戦的なメニューが取り入れられているが、高橋は左SBの主力組として鋭い上下動や豪快なクロスを披露。その好感触をU20アジア杯まで持続させるべく、「キャンプからだんだんコンディションを上げているので調子もいいと思う。これからもっと頑張りたい」とさらに突き進んでいく構えだ。
前回のU20アジア杯やU-20W杯を経験している立場としては、チームをまとめる働きにも期待がかかる。日本語でのコミュニケーションスキルはこの約1年半で飛躍的に向上しており、強気なメンタリティーを表現する準備は万端。「W杯を決める試合になればみんなメンタル的に強くおらんかったらすぐ沈んでしまうから、メンタルも大切だと思う。自分もできるだけみんなを助けたい」と意気込む。
また個人としても、再び世界への道筋を描き直すための大会になりそうだ。
かつてバルセロナの育成組織で共にプレーしていたというDFパウ・クバルシ、FWラミン・ヤマルは母国をEURO制覇に導いて世界に名が知られるスター選手となり、同世代のMFエクトル・フォルト、DFセルジ・ドミンゲスといった選手たちもラ・リーガで出番を獲得。パリ五輪の大会期間にはクバルシと連絡を取り、少なからず刺激を受けていたという。
「一緒にやっていた選手なのでそういうところに行っているのは自分も嬉しいし、そこまでになっていてすごいなと。ジェラシーとかじゃなく、俺ももっと頑張らなあかんなって。みんなが素晴らしいプレーをしているのは友達としても嬉しいし、頑張る気持ちにさせてもらってる。いつかは俺もそこに行きたいから」。その第一歩はアジアの舞台から。チームとしても個人としても結果を残し、彼らに並び立つような世界舞台への挑戦権を勝ち取る。
(取材・文 竹内達也)
●AFC U20アジアカップ2025特集