ベルギーから帰国即合流で恩師とも再会…U-20日本代表が誇る長身FW道脇豊、欧州近隣で輝く同世代FWの活躍に「負けていられない」

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U-20日本代表のエースストライカーを担うことが期待されるFW道脇豊(ベフェレン)が4日、所属先のベルギーから帰国し、AFC U20アジアカップに臨むチームに合流した。
今月2日にベルギー2部第20節ヨング・ゲンク戦を戦った後、この日の早朝に帰国したばかりとあり、AC長野パルセイロとのトレーニングマッチには出場しなかったが、練習場でロアッソ熊本時代にコーチを務めた長野の藤本主税監督と再会。「まだまだこれから」とエールを送られたといい、「できれば試合に出て成長した姿を見せて、点を決めて“恩返し弾”にしたかったけど会えて話ができて良かった」と笑顔を見せた。
2006年4月5日生まれで現在18歳の道脇は、190cmの長身と豊富な得点パターンを武器とする世代屈指のストライカー。昨年夏に熊本からベフェレンに期限付き移籍で加入し、今季はベルギー2部で17試合3得点を記録している。
国際Aマッチウィーク期間外に行われるU20アジア杯は所属クラブに派遣義務がないため、欧州組の招集は難航しがちだが、今回はクラブの承諾により招集が実現。道脇は「チームからも『国際大会は経験と成長にもつながるいい大会だと思うから頑張って来い』と伝えられたので頑張りたい」と力を込めた。
道脇にとって今大会は、5試合4得点でアジア制覇に導いた2023年夏のU17アジア杯以来の大陸トーナメント。「自分としてはU-17アジア杯ではいいイメージがあるので、その時以上にやっていきたい」。同年11月のU-17W杯では4試合無得点に終わった悔しさも胸に、より高い水準のパフォーマンスを見せていく構えだ。
「U17アジア杯は優勝できたけど、W杯ではチームの結果も個人の結果も全然納得のいくものではなかったのでリベンジしたい。まずはアジアでW杯出場権を獲得することに集中して頑張っていきたい」(道脇)
そんな道脇だが、ベルギーでの現在地は「自分の持ち味であるクロスからのシュート、シュート力、背後への抜け出しは通用すると思ったけど、フィジカル面ではまだまだ足りないところが多い」というもの。Jリーグでは試合を重ねるにつれて当たり負けしない姿が目立っていたが、現地のCBからはさらに高水準のぶつかり合いを強いられているようだ。
「日本のCBは考えてプレーしてくるような印象があったけど、ベルギーはフィジカルでファウル混じりのタックルをしてきて、それで倒れても『弱いだけ』と思われて笛を吹かれなかったりもする。そういう環境に慣れるのが大変」。もっとも、アジア杯やW杯でも日本人選手は同様の傾向が見られるだけに「(経験している立場として)違いを見せられればと思う」と意気込む。
一方、チームへの順応には手応えも感じているようだ。「自分は動き出しに自信があるけど、コミュニケーションが取れていないとどれだけいい動き出しをしてもパスが出てこなかったりする。英語は今も勉強中だけど、英語でコミュニケーションを取って、周りにやりたいことを共有する技術はついてきたと思う」。
また日本人選手にとってより順応が難しいとされるピッチ外の面でも「自分は中学校の頃からずっと海外を意識していて、もちろんその生活をイメージしていたので、実際に行って過ごしてもあまり不便なところはない。想像どおりだった」とすでに順応済み。その背景には近隣で暮らす日本人選手の支えもあるという。
ベルギーでは現在、ゲンクのセカンドチームにあたるヨング・ゲンクに神村学園高出身のDF吉永夢希、大分トリニータU-18出身のMF保田堅心といった同じ九州出身の同世代が在籍。ゲントにも元熊本のGKシュミット・ダニエル(名古屋)が今冬まで在籍していたほか、MF伊藤敦樹、DF渡辺剛といったJリーグ出身の日本代表選手が所属しており、普段から共に食事をする機会を持っているようだ。
とくに熊本在籍経験のあるシュミットは道脇にとって憧れの存在。「ダンくんがやっている試合を見ていたし、ベルギーでご飯に誘ってくれて食べに行ったり、試合も見に来てくれたので感慨深いです」と良好な関係を築いていたようだ。
またELデビュー戦初ゴールを決めたアンデルレヒトのFW後藤啓介、エールディビジで得点を記録しているNECナイメヘンのFW塩貝健人と言ったU-20日本代表世代のストライカーとも深い親交がある。
「啓介くんともよくご飯に行ったり遊びに行ったりするし、塩貝健人くんともご飯に行ったり旅行に行ったりしていて、そういう年齢の近い同じポジションの選手が大舞台で活躍したり、点を決めたりする姿を間近で見られてすごく刺激になる。負けていられないという気持ちしかない」。同世代の前向きなニュースにも刺激を受けつつ、異国の地で戦う活力にしているようだ。
今回のU20アジア杯メンバーにも、同い年でサウサンプトン移籍が決まっているFW高岡伶颯(日章学園高)が選出。23年のU-17W杯を共に戦った2人は「同じストライカーで同じ年齢で、仲間ではあるんですけど、その中でもライバル関係を保ってお互いに切磋琢磨していけたらなと思う」と前向きな競争を繰り広げながら、U-20日本代表の攻撃を担っていく。
(取材・文 竹内達也)
●AFC U20アジアカップ2025特集
今月2日にベルギー2部第20節ヨング・ゲンク戦を戦った後、この日の早朝に帰国したばかりとあり、AC長野パルセイロとのトレーニングマッチには出場しなかったが、練習場でロアッソ熊本時代にコーチを務めた長野の藤本主税監督と再会。「まだまだこれから」とエールを送られたといい、「できれば試合に出て成長した姿を見せて、点を決めて“恩返し弾”にしたかったけど会えて話ができて良かった」と笑顔を見せた。
2006年4月5日生まれで現在18歳の道脇は、190cmの長身と豊富な得点パターンを武器とする世代屈指のストライカー。昨年夏に熊本からベフェレンに期限付き移籍で加入し、今季はベルギー2部で17試合3得点を記録している。
国際Aマッチウィーク期間外に行われるU20アジア杯は所属クラブに派遣義務がないため、欧州組の招集は難航しがちだが、今回はクラブの承諾により招集が実現。道脇は「チームからも『国際大会は経験と成長にもつながるいい大会だと思うから頑張って来い』と伝えられたので頑張りたい」と力を込めた。
道脇にとって今大会は、5試合4得点でアジア制覇に導いた2023年夏のU17アジア杯以来の大陸トーナメント。「自分としてはU-17アジア杯ではいいイメージがあるので、その時以上にやっていきたい」。同年11月のU-17W杯では4試合無得点に終わった悔しさも胸に、より高い水準のパフォーマンスを見せていく構えだ。
「U17アジア杯は優勝できたけど、W杯ではチームの結果も個人の結果も全然納得のいくものではなかったのでリベンジしたい。まずはアジアでW杯出場権を獲得することに集中して頑張っていきたい」(道脇)
そんな道脇だが、ベルギーでの現在地は「自分の持ち味であるクロスからのシュート、シュート力、背後への抜け出しは通用すると思ったけど、フィジカル面ではまだまだ足りないところが多い」というもの。Jリーグでは試合を重ねるにつれて当たり負けしない姿が目立っていたが、現地のCBからはさらに高水準のぶつかり合いを強いられているようだ。
「日本のCBは考えてプレーしてくるような印象があったけど、ベルギーはフィジカルでファウル混じりのタックルをしてきて、それで倒れても『弱いだけ』と思われて笛を吹かれなかったりもする。そういう環境に慣れるのが大変」。もっとも、アジア杯やW杯でも日本人選手は同様の傾向が見られるだけに「(経験している立場として)違いを見せられればと思う」と意気込む。
一方、チームへの順応には手応えも感じているようだ。「自分は動き出しに自信があるけど、コミュニケーションが取れていないとどれだけいい動き出しをしてもパスが出てこなかったりする。英語は今も勉強中だけど、英語でコミュニケーションを取って、周りにやりたいことを共有する技術はついてきたと思う」。
また日本人選手にとってより順応が難しいとされるピッチ外の面でも「自分は中学校の頃からずっと海外を意識していて、もちろんその生活をイメージしていたので、実際に行って過ごしてもあまり不便なところはない。想像どおりだった」とすでに順応済み。その背景には近隣で暮らす日本人選手の支えもあるという。
ベルギーでは現在、ゲンクのセカンドチームにあたるヨング・ゲンクに神村学園高出身のDF吉永夢希、大分トリニータU-18出身のMF保田堅心といった同じ九州出身の同世代が在籍。ゲントにも元熊本のGKシュミット・ダニエル(名古屋)が今冬まで在籍していたほか、MF伊藤敦樹、DF渡辺剛といったJリーグ出身の日本代表選手が所属しており、普段から共に食事をする機会を持っているようだ。
とくに熊本在籍経験のあるシュミットは道脇にとって憧れの存在。「ダンくんがやっている試合を見ていたし、ベルギーでご飯に誘ってくれて食べに行ったり、試合も見に来てくれたので感慨深いです」と良好な関係を築いていたようだ。
またELデビュー戦初ゴールを決めたアンデルレヒトのFW後藤啓介、エールディビジで得点を記録しているNECナイメヘンのFW塩貝健人と言ったU-20日本代表世代のストライカーとも深い親交がある。
「啓介くんともよくご飯に行ったり遊びに行ったりするし、塩貝健人くんともご飯に行ったり旅行に行ったりしていて、そういう年齢の近い同じポジションの選手が大舞台で活躍したり、点を決めたりする姿を間近で見られてすごく刺激になる。負けていられないという気持ちしかない」。同世代の前向きなニュースにも刺激を受けつつ、異国の地で戦う活力にしているようだ。
今回のU20アジア杯メンバーにも、同い年でサウサンプトン移籍が決まっているFW高岡伶颯(日章学園高)が選出。23年のU-17W杯を共に戦った2人は「同じストライカーで同じ年齢で、仲間ではあるんですけど、その中でもライバル関係を保ってお互いに切磋琢磨していけたらなと思う」と前向きな競争を繰り広げながら、U-20日本代表の攻撃を担っていく。
(取材・文 竹内達也)
●AFC U20アジアカップ2025特集