[J-VILLAGE CUP U-18]初招集組も奮闘。育成と結果求めるU-18日本代表が横浜FCユースを下し、3連勝!

後半20分、U-18日本代表FW
[3.16 J-VILLAGE CUP U-18予選 U-18日本代表 2-1 横浜FCユース Jヴィレッジスタジアム]
2007年生まれ以降の選手で構成されたU-18日本代表が16日、「第7回 J-VILLAGE CUP U-18」(福島)予選最終節で横浜FCユースと対戦し、2-1で勝利した。
U-18日本代表は2年後のU-20ワールドカップへ向けたチーム立ち上げの活動。今回のメンバーは早生まれ選手を招集せず全て高校2年生で、CB大川佑梧(鹿島ユース)や右SB森壮一朗(名古屋U-18)ら年代別日本代表常連組に加え、初代表5選手も選出している。
近年は若手選手の海外移籍が増加。年代別日本代表の国際大会に出場できないケースもある。その中で城和憲監督は「しっかりラージ(グループ)を作りながら育てていくっていうこともやっぱりやっていかないといけない。ちゃんと育てながら、発掘しながら、だけど、(日本代表として)負けは許されないよっていうプレッシャーを与えながらやっています」。今回、J-VILLAGE CUP U-18はCrossfire Premier Soccer Club(アメリカ)戦に加え、国内の高体連チームやJクラブユースチームとの対戦もあって負けられない戦いだったが、U-18代表は予選で3連勝を飾った。
横浜FC戦の先発はGK小川煌(広島ユース)、右SB松岡敏也(興國高)、CB月舘汰壱アブーバクル(青森山田高)、ゲーム主将のCB大川、左SB千田遼(岡山U-18)、中盤は和田直哉(浦和ユース)と福島和毅(神村学園高)のダブルボランチで右SH菅原悠太(FC東京U-18)、左SH長璃喜(昌平高)、2トップは末宗寛士郎(岡山U-18)と伊藤湊太(京都橘高)がコンビを組んだ。


一方の横浜FCは左SB佃颯太(2年)やMF岩崎亮佑(2年)といった年代別日本代表歴を持つ選手たちが先発。前半、横浜FCはやや連係を欠く部分のあったU-18代表のプレッシングを佃らのショートパスやドリブルで剥がして前進する。そして、MF矢内翔磨(2年)が積極的にミドルシュート。対するU-18代表は横浜FCユースの際の強さの前に攻め切れない時間帯が続いていたものの、菅原の左FKから月舘がヘッドを放ったほか、千田の縦パスに長が反応するなど徐々に相手ゴールへ迫っていく。


前半22分には、松岡がロングスプリントで右ハイサイドへのボールに追いつき、クロス。これをニアの伊藤が頭で合わせて先制した。年代別代表初選出の伊藤は今大会2得点目。そのU-18代表はDFリーダー・大川が声でコントロールし、前からボールを奪いに行く。伊藤が中盤の深い位置までプレスバックして奪い返したほか、和田や松岡が前に出てインターセプト。また、月舘や大川が正確なヘッドでマイボールに変えるなど守備からリズムを作る。








そして、福島や菅原らが係わってボールを前進させると、和田が右足ミドルを放ち、末宗のポストプレーから福島も右足ミドル。また、末宗のさばきから右サイドで走力を発揮する松岡がクロスを狙う。加えて、積極的に攻撃参加していた千田のヘッドや和田とのコンビから抜け出した菅原の左足シュートなどチャンスの数を増やしたが、決め切ることができない。
U-18代表は後半開始から福島、菅原、伊藤、末宗からMF今井健人(東京Vユース)、右SH中野遥翔(沼津U18)、FW仲山獅恩(東京Vユース)、FW久永虎次郎(G大阪ユース)へ4枚替え。1分、久永の落としから仲山が右足シュートを放ち、4分には松岡の右足ミドルが横浜FCゴールを脅かす。
横浜FCも6分、相手のミスを突いたMF福岡湧大(1年)が抜け出し、GKと1対1となったが、U-18代表GK小川がビッグセーブ。横浜FCは6分にもセットプレーの流れからCB大川萊(2年)が右足で狙うもGK小川が反応して得点を許さない。


12分、U-18代表は長、松岡、月舘に代えて右SB森壮一朗(名古屋U-18)、CB酒井舜哉(大宮U18)、左SH田中希和(FC東京U-18)を投入。20チームの予選成績によって順位決定戦のカードが決まるため、貪欲に次の1点を狙いにいった。
だが、横浜FCは20分、カウンターから矢内が右サイドを一気に前進。PAでの切り返しでDFを外し、左足シュートをファーサイドに決めた。同点に歓喜の横浜FC。一方のU-18代表は23分に和田と千田を左SB佐々木将英(FC東京U-18)とMF林駿佑(川崎F U-18)へ代え、再び勝ち越し点を目指した。




中央からのドリブル、パスでアクセントを加える今井や周囲を上手く活用しながら守りを攻略しようとした仲山を中心に多彩な攻撃。酒井の縦パスから久永が右足シュートを打ち込んだほか、中野や田中、右サイドで存在感を放つ森の仕掛けも交えて攻め立てた。そして29分、中央への浮き球パスを久永が丁寧に左へ繋ぎ、仲山が相手のタイミングをわずかにズラしてから左足シュート。鮮やかな一撃を決め、2-1とした。




この後、U-18代表は林のインターセプトから仲山が右足を振り抜くなど追加点を目指すが、全体的にシュートの精度を欠き、いずれも横浜FC・GK櫻井斗真(2年)に阻まれてしまう。ただし、41分に大川とCB秦樹(横浜FCユース)を入れ替えてGK萩裕陽(名古屋U-18)を除く全選手を起用したU-18代表は森、酒井、秦、佐々木の4バックや林らが大きな隙を見せずに2―1で勝利。得失点差で予選4位に終わり、選手たちは悔しがっていたものの、「僕らはしっかり4試合を戦って、4試合勝ちながら成長しようねっていうところが大きなテーマ」(城監督)というチームは3連勝と結果を残した。


今回、U-18日本代表に選ばれている選手たちだが、2年後、5年後に代表チームに居続けることは簡単なことではない。城監督は「もう当たり前のことを当たり前にやれるプラスアルファがないとやっぱり残っていけないし、世界では戦っていけないよという話はさせてもらっています」と説明。指揮官は各選手が現状に満足することなく、「強い気持ちを持って、自分自身を成長させるしかない」と求める。


各所属チームで試合に出て活躍、成長を示すことが継続して招集されるための第一条件。一方で昨年まで青森山田高のBチームにいたCB月舘が抜擢されるなど、多くの選手にチャンスがあることは確かだ。城監督は「可能性は誰にでもあるので掴んでもらうしかない」。今回、選出された22名は17日の最終日(対履正社高)も貪欲に自分に何ができるのかをアピールし、4連勝で大会を終える。
(取材・文 吉田太郎)
2007年生まれ以降の選手で構成されたU-18日本代表が16日、「第7回 J-VILLAGE CUP U-18」(福島)予選最終節で横浜FCユースと対戦し、2-1で勝利した。
U-18日本代表は2年後のU-20ワールドカップへ向けたチーム立ち上げの活動。今回のメンバーは早生まれ選手を招集せず全て高校2年生で、CB大川佑梧(鹿島ユース)や右SB森壮一朗(名古屋U-18)ら年代別日本代表常連組に加え、初代表5選手も選出している。
近年は若手選手の海外移籍が増加。年代別日本代表の国際大会に出場できないケースもある。その中で城和憲監督は「しっかりラージ(グループ)を作りながら育てていくっていうこともやっぱりやっていかないといけない。ちゃんと育てながら、発掘しながら、だけど、(日本代表として)負けは許されないよっていうプレッシャーを与えながらやっています」。今回、J-VILLAGE CUP U-18はCrossfire Premier Soccer Club(アメリカ)戦に加え、国内の高体連チームやJクラブユースチームとの対戦もあって負けられない戦いだったが、U-18代表は予選で3連勝を飾った。
横浜FC戦の先発はGK小川煌(広島ユース)、右SB松岡敏也(興國高)、CB月舘汰壱アブーバクル(青森山田高)、ゲーム主将のCB大川、左SB千田遼(岡山U-18)、中盤は和田直哉(浦和ユース)と福島和毅(神村学園高)のダブルボランチで右SH菅原悠太(FC東京U-18)、左SH長璃喜(昌平高)、2トップは末宗寛士郎(岡山U-18)と伊藤湊太(京都橘高)がコンビを組んだ。


U-18日本代表の先発イレブン
一方の横浜FCは左SB佃颯太(2年)やMF岩崎亮佑(2年)といった年代別日本代表歴を持つ選手たちが先発。前半、横浜FCはやや連係を欠く部分のあったU-18代表のプレッシングを佃らのショートパスやドリブルで剥がして前進する。そして、MF矢内翔磨(2年)が積極的にミドルシュート。対するU-18代表は横浜FCユースの際の強さの前に攻め切れない時間帯が続いていたものの、菅原の左FKから月舘がヘッドを放ったほか、千田の縦パスに長が反応するなど徐々に相手ゴールへ迫っていく。


横浜FCユースは24年U-17日本代表の左SB佃颯太らが奮闘
前半22分には、松岡がロングスプリントで右ハイサイドへのボールに追いつき、クロス。これをニアの伊藤が頭で合わせて先制した。年代別代表初選出の伊藤は今大会2得点目。そのU-18代表はDFリーダー・大川が声でコントロールし、前からボールを奪いに行く。伊藤が中盤の深い位置までプレスバックして奪い返したほか、和田や松岡が前に出てインターセプト。また、月舘や大川が正確なヘッドでマイボールに変えるなど守備からリズムを作る。


前半22分、右SB松岡敏也(興國高)は先制アシスト


FW伊藤湊太(京都橘高)がゴールを喜ぶ


U-18日本代表のゲーム主将CB大川佑梧(鹿島ユース)


MF和田直哉(浦和ユース)が球際の強さを見せる
そして、福島や菅原らが係わってボールを前進させると、和田が右足ミドルを放ち、末宗のポストプレーから福島も右足ミドル。また、末宗のさばきから右サイドで走力を発揮する松岡がクロスを狙う。加えて、積極的に攻撃参加していた千田のヘッドや和田とのコンビから抜け出した菅原の左足シュートなどチャンスの数を増やしたが、決め切ることができない。
U-18代表は後半開始から福島、菅原、伊藤、末宗からMF今井健人(東京Vユース)、右SH中野遥翔(沼津U18)、FW仲山獅恩(東京Vユース)、FW久永虎次郎(G大阪ユース)へ4枚替え。1分、久永の落としから仲山が右足シュートを放ち、4分には松岡の右足ミドルが横浜FCゴールを脅かす。
横浜FCも6分、相手のミスを突いたMF福岡湧大(1年)が抜け出し、GKと1対1となったが、U-18代表GK小川がビッグセーブ。横浜FCは6分にもセットプレーの流れからCB大川萊(2年)が右足で狙うもGK小川が反応して得点を許さない。


U-18代表のGK小川煌(広島ユース)は好守を連発
12分、U-18代表は長、松岡、月舘に代えて右SB森壮一朗(名古屋U-18)、CB酒井舜哉(大宮U18)、左SH田中希和(FC東京U-18)を投入。20チームの予選成績によって順位決定戦のカードが決まるため、貪欲に次の1点を狙いにいった。
だが、横浜FCは20分、カウンターから矢内が右サイドを一気に前進。PAでの切り返しでDFを外し、左足シュートをファーサイドに決めた。同点に歓喜の横浜FC。一方のU-18代表は23分に和田と千田を左SB佐々木将英(FC東京U-18)とMF林駿佑(川崎F U-18)へ代え、再び勝ち越し点を目指した。


後半20分、横浜FC・MF矢内翔磨が左足で同点ゴール


喜びを爆発させる
中央からのドリブル、パスでアクセントを加える今井や周囲を上手く活用しながら守りを攻略しようとした仲山を中心に多彩な攻撃。酒井の縦パスから久永が右足シュートを打ち込んだほか、中野や田中、右サイドで存在感を放つ森の仕掛けも交えて攻め立てた。そして29分、中央への浮き球パスを久永が丁寧に左へ繋ぎ、仲山が相手のタイミングをわずかにズラしてから左足シュート。鮮やかな一撃を決め、2-1とした。


後半29分、U-18代表FW仲山獅恩(東京Vユース)が左足で決勝点


すぐにボールを拾い上げてセンターサークルへ
この後、U-18代表は林のインターセプトから仲山が右足を振り抜くなど追加点を目指すが、全体的にシュートの精度を欠き、いずれも横浜FC・GK櫻井斗真(2年)に阻まれてしまう。ただし、41分に大川とCB秦樹(横浜FCユース)を入れ替えてGK萩裕陽(名古屋U-18)を除く全選手を起用したU-18代表は森、酒井、秦、佐々木の4バックや林らが大きな隙を見せずに2―1で勝利。得失点差で予選4位に終わり、選手たちは悔しがっていたものの、「僕らはしっかり4試合を戦って、4試合勝ちながら成長しようねっていうところが大きなテーマ」(城監督)というチームは3連勝と結果を残した。


後半、攻撃のテンポを変えたMF今井健人(東京Vユース)
今回、U-18日本代表に選ばれている選手たちだが、2年後、5年後に代表チームに居続けることは簡単なことではない。城監督は「もう当たり前のことを当たり前にやれるプラスアルファがないとやっぱり残っていけないし、世界では戦っていけないよという話はさせてもらっています」と説明。指揮官は各選手が現状に満足することなく、「強い気持ちを持って、自分自身を成長させるしかない」と求める。


初代表のCB月舘汰壱アブーバクル(青森山田高)は課題を持ち帰って成長する意気込み
各所属チームで試合に出て活躍、成長を示すことが継続して招集されるための第一条件。一方で昨年まで青森山田高のBチームにいたCB月舘が抜擢されるなど、多くの選手にチャンスがあることは確かだ。城監督は「可能性は誰にでもあるので掴んでもらうしかない」。今回、選出された22名は17日の最終日(対履正社高)も貪欲に自分に何ができるのかをアピールし、4連勝で大会を終える。
(取材・文 吉田太郎)