[J-VILLAGE CUP U-18]U-18日本代表が履正社との全勝対決を3-0で制し、4連勝で大会を終える

後半41分、U-18日本代表はFW
[3.17 J-VILLAGE CUP U-18順位決定戦 履正社高 0-3 U-18日本代表 Jヴィレッジスタジアム]
「東日本大震災からの復興、未来に向かう『いまのふくしま』を国内外に発信し、Jヴィレッジおよび周辺地域に多くの賑わいを生み出す」ことや参加チーム・選手の競技力向上を目的に開催された「第7回 J-VILLAGE CUP U-18」は大会最終日の17日、順位決定戦を行った。
2007年生まれ以降の選手で構成されたU-18日本代表と、履正社高(大阪)はともに予選で3連勝。得失点差によって決勝進出を逃したものの、全勝をかけて対戦し、U-18日本代表が3-0で勝利した。
U-18日本代表は登録22名全員が高校2年生。先発はGK萩裕陽(名古屋U-18)、DFは右からゲーム主将の森壮一朗(名古屋U-18)、酒井舜哉(大宮U18)、秦樹(横浜FCユース)、佐々木将英(FC東京U-18)の4バック。中盤は林駿佑(川崎F U-18)と今井健人(東京Vユース)のダブルボランチで右SH中野遥翔(沼津U18)、左SH田中希和(FC東京U-18)、前線は仲山獅恩(東京Vユース)と伊藤湊太(京都橘高)がコンビを組んだ。


一方の履正社はU-17日本高校選抜候補のMF玉山煌稀(2年)が不在だったが、昨秋の選手権大阪府予選決勝で1、2年生8人が先発しているチーム。MF大重健二朗(2年)とMF相澤伶実(1年)のダブルボランチなど経験者中心にU-18日本代表相手に互角の戦いを演じてみせた。
今大会、初戦から全て入りが課題だったというU-18代表は、この日も風速10mもの強風が影響したか、城和憲監督が「(大会を通して交代出場組がギアを上げていたことは良かったが、)これがアジアや世界で先に失点してしまうと、厳しい戦いになってしまう」と指摘するような序盤になってしまう。選手同士の距離感の良い履正社は、大重と相澤を軸にボールを動かして縦パスを差し込んだほか、187cmCB上田蓮(2年)やFW鳥山陽斗(2年)ら個での突破や左SB三崎竜太郎(2年)のサイドチェンジ、コンビネーションでの仕掛けを交えてゴールへ向かう。


21分には右CKの流れから相澤が決定的な左足シュート。32分にもMF藤原快晴(2年)のスルーパスからFW林潤瑞(2年)がチャンスを迎える。また、守備のアプローチも鋭く、前線から相手のパスの出所へ圧力をかけ、中盤で相澤が回収するなど主導権を握る展開だった。
U-18代表は自陣深くまで押し込まれる回数が増えていたものの、ゴール前で秦や酒井を中心に落ち着いた対応で凌ぐ。相手MF相澤の決定的なシーンも森や秦とともにゴールカバーしていた酒井が懸命のシュートブロック。また、GK萩がハイボールで強さを発揮し、林が高さやボール奪取力を発揮する。


攻撃面では今井らがボールを運び、左サイドの田中が収まりどころとなっていたほか、速攻から左へ大きく展開する形で左SB佐々木が迫力のある攻め上がり。また、中野が爆破的なスピードを活かしたドリブルで右サイドから切れ込む。34分には、仲山とのコンビで中野が右サイドを抜け出して大きく前進。PAまで運んでラストパスを入れると、スプリントしてきた仲山が右足シュートへ持ち込んだ。
36分、U-18代表が先制点を奪う。相手GKからの縦パスを田中が足に引っ掛ける形でインターセプト。間髪入れずに、ミドルレンジからのコントロールした左足シュートでゴールを破った。田中のビッグプレーで1-0。その後も佐々木の左クロスに伊藤が飛び込み、ショートコーナーやパス交換から田中がシュートへ持ち込むなど、リードしたまま前半を終えた。




U-18代表は後半開始から森、林、今井、中野、田中、仲山、伊藤に代えて右SB千田遼(岡山U-18)、福島和毅(神村学園高)と和田直哉(浦和ユース)のダブルボランチ、右SH菅原悠太(FC東京U-18)、左SH長璃喜(昌平高)、末宗寛士郎(岡山U-18)と久永虎次郎(G大阪ユース)の2トップへ7枚替え。GK萩が相手FW鳥山のミドルシュートを弾き出すなどリードを続ける。


11分には、福島の斜めのラストパスから長が縦へ持ち込んで左足シュート。12分には後半キャプテンマークを巻いていた佐々木、秦、酒井を右SB松岡敏也(興國高)、CB月舘汰壱アブーバクル(青森山田高)、CB大川佑梧(鹿島ユース)へ入れ替え、千田を左SBへ移した。これで前日フル出場したGK小川煌(広島ユース)を除く全選手が出場。交代出場でキャプテンマークを巻いた大川、初選出のCB月舘がともに抜群の高さを発揮。16分には相手CB堀江純之介(2年)のヘッドが枠へ向かったが、GK萩がバックステップを踏んでからの跳躍でセーブする。
そのU-18代表は、和田の身体を張った守備などから攻撃。履正社も細江と相澤が相手選手を挟み込んで速攻を阻止するなど、後半も切り替えの速い守備やサイド攻撃から右SB高屋敷永輝(1年)がクロスへ持ち込むなど対抗していた。それでも、U-18代表が右の松岡と菅原、左の千田と長の両ワイドを活用した攻撃などで徐々に相手ゴールへ迫る回数を増やしていく。




24分、ドリブル、ショートパスでゲームメイクする福島の斜めのパスを菅原がフリックし、抜け出した久永が切り返して左足シュート。28分には左サイドの攻撃からチャンスを作り、ファーの菅原がドリブルから左足を振り抜く。33分にも長の縦への仕掛けとクロスから末宗が決定的なヘッド。だが、この一撃は履正社GK新宮尋大(1年)が左足で阻止する。
履正社は36分、相手GKが処理し切れなかったボールを鳥山とMF宗佐大地(2年)で奪い返し、林が押し込もうとしたが、ボールはクロスバーを叩いた。逆にU-18代表は41分、相手GKからのビルドアップを今度は末宗がインターセプトし、右足シュートを冷静にゴールへ流し込んだ。2点差としたU-18代表はさらに44分、左サイドで縦に仕掛けた長からのスルーパスに久永が反応。ダイレクトでの左足シュートが右隅に決まり、3-0でU-18代表が勝利した。






今回の合宿で2年後のU-20ワールドカップへ向けて本格始動したU-18代表は、代表常連組も初選出5選手も活躍し、4連勝で活動を終了。城監督は「ここから競争です」と語り、各所属チームで主軸となる選手たちがより突き抜けてくることを期待した。彼ら同様、高校2年生のGK荒木琉偉(G大阪)に加え、いずれも早生まれのDF布施克真(日大藤沢高→筑波大)やFW高岡伶颯(日章学園高→サウサンプトン)、FW徳田誉(鹿島ユース→鹿島)ら早生まれ組のすでにU-20日本代表入りを果たしている選手たちや今回招集されていないタレント、新たに台頭してくる選手たちと競争。次回5月の欧州遠征へ向け、各選手は所属チームで成長を示す。
(取材・文 吉田太郎)
「東日本大震災からの復興、未来に向かう『いまのふくしま』を国内外に発信し、Jヴィレッジおよび周辺地域に多くの賑わいを生み出す」ことや参加チーム・選手の競技力向上を目的に開催された「第7回 J-VILLAGE CUP U-18」は大会最終日の17日、順位決定戦を行った。
2007年生まれ以降の選手で構成されたU-18日本代表と、履正社高(大阪)はともに予選で3連勝。得失点差によって決勝進出を逃したものの、全勝をかけて対戦し、U-18日本代表が3-0で勝利した。
U-18日本代表は登録22名全員が高校2年生。先発はGK萩裕陽(名古屋U-18)、DFは右からゲーム主将の森壮一朗(名古屋U-18)、酒井舜哉(大宮U18)、秦樹(横浜FCユース)、佐々木将英(FC東京U-18)の4バック。中盤は林駿佑(川崎F U-18)と今井健人(東京Vユース)のダブルボランチで右SH中野遥翔(沼津U18)、左SH田中希和(FC東京U-18)、前線は仲山獅恩(東京Vユース)と伊藤湊太(京都橘高)がコンビを組んだ。


U-18日本代表の先発メンバー
一方の履正社はU-17日本高校選抜候補のMF玉山煌稀(2年)が不在だったが、昨秋の選手権大阪府予選決勝で1、2年生8人が先発しているチーム。MF大重健二朗(2年)とMF相澤伶実(1年)のダブルボランチなど経験者中心にU-18日本代表相手に互角の戦いを演じてみせた。
今大会、初戦から全て入りが課題だったというU-18代表は、この日も風速10mもの強風が影響したか、城和憲監督が「(大会を通して交代出場組がギアを上げていたことは良かったが、)これがアジアや世界で先に失点してしまうと、厳しい戦いになってしまう」と指摘するような序盤になってしまう。選手同士の距離感の良い履正社は、大重と相澤を軸にボールを動かして縦パスを差し込んだほか、187cmCB上田蓮(2年)やFW鳥山陽斗(2年)ら個での突破や左SB三崎竜太郎(2年)のサイドチェンジ、コンビネーションでの仕掛けを交えてゴールへ向かう。


履正社はMF大重健二朗らが対抗
21分には右CKの流れから相澤が決定的な左足シュート。32分にもMF藤原快晴(2年)のスルーパスからFW林潤瑞(2年)がチャンスを迎える。また、守備のアプローチも鋭く、前線から相手のパスの出所へ圧力をかけ、中盤で相澤が回収するなど主導権を握る展開だった。
U-18代表は自陣深くまで押し込まれる回数が増えていたものの、ゴール前で秦や酒井を中心に落ち着いた対応で凌ぐ。相手MF相澤の決定的なシーンも森や秦とともにゴールカバーしていた酒井が懸命のシュートブロック。また、GK萩がハイボールで強さを発揮し、林が高さやボール奪取力を発揮する。


前半21分、履正社の決定機をCB酒井舜哉(大宮U18)が阻止
攻撃面では今井らがボールを運び、左サイドの田中が収まりどころとなっていたほか、速攻から左へ大きく展開する形で左SB佐々木が迫力のある攻め上がり。また、中野が爆破的なスピードを活かしたドリブルで右サイドから切れ込む。34分には、仲山とのコンビで中野が右サイドを抜け出して大きく前進。PAまで運んでラストパスを入れると、スプリントしてきた仲山が右足シュートへ持ち込んだ。
36分、U-18代表が先制点を奪う。相手GKからの縦パスを田中が足に引っ掛ける形でインターセプト。間髪入れずに、ミドルレンジからのコントロールした左足シュートでゴールを破った。田中のビッグプレーで1-0。その後も佐々木の左クロスに伊藤が飛び込み、ショートコーナーやパス交換から田中がシュートへ持ち込むなど、リードしたまま前半を終えた。


前半36分、U-18日本代表MF田中希和(FC東京U-18)がインターセプトからの左足シュートで先制点


FW伊藤湊太(京都橘高、左)とハイタッチで喜ぶ
U-18代表は後半開始から森、林、今井、中野、田中、仲山、伊藤に代えて右SB千田遼(岡山U-18)、福島和毅(神村学園高)と和田直哉(浦和ユース)のダブルボランチ、右SH菅原悠太(FC東京U-18)、左SH長璃喜(昌平高)、末宗寛士郎(岡山U-18)と久永虎次郎(G大阪ユース)の2トップへ7枚替え。GK萩が相手FW鳥山のミドルシュートを弾き出すなどリードを続ける。


好セーブでチームを救ったGK萩裕陽(名古屋U-18)
11分には、福島の斜めのラストパスから長が縦へ持ち込んで左足シュート。12分には後半キャプテンマークを巻いていた佐々木、秦、酒井を右SB松岡敏也(興國高)、CB月舘汰壱アブーバクル(青森山田高)、CB大川佑梧(鹿島ユース)へ入れ替え、千田を左SBへ移した。これで前日フル出場したGK小川煌(広島ユース)を除く全選手が出場。交代出場でキャプテンマークを巻いた大川、初選出のCB月舘がともに抜群の高さを発揮。16分には相手CB堀江純之介(2年)のヘッドが枠へ向かったが、GK萩がバックステップを踏んでからの跳躍でセーブする。
そのU-18代表は、和田の身体を張った守備などから攻撃。履正社も細江と相澤が相手選手を挟み込んで速攻を阻止するなど、後半も切り替えの速い守備やサイド攻撃から右SB高屋敷永輝(1年)がクロスへ持ち込むなど対抗していた。それでも、U-18代表が右の松岡と菅原、左の千田と長の両ワイドを活用した攻撃などで徐々に相手ゴールへ迫る回数を増やしていく。


履正社は後半も1年生MF相澤伶実らが集中した守備


MF長璃喜(昌平高)は左サイドからの仕掛け、クロスで1アシスト
24分、ドリブル、ショートパスでゲームメイクする福島の斜めのパスを菅原がフリックし、抜け出した久永が切り返して左足シュート。28分には左サイドの攻撃からチャンスを作り、ファーの菅原がドリブルから左足を振り抜く。33分にも長の縦への仕掛けとクロスから末宗が決定的なヘッド。だが、この一撃は履正社GK新宮尋大(1年)が左足で阻止する。
履正社は36分、相手GKが処理し切れなかったボールを鳥山とMF宗佐大地(2年)で奪い返し、林が押し込もうとしたが、ボールはクロスバーを叩いた。逆にU-18代表は41分、相手GKからのビルドアップを今度は末宗がインターセプトし、右足シュートを冷静にゴールへ流し込んだ。2点差としたU-18代表はさらに44分、左サイドで縦に仕掛けた長からのスルーパスに久永が反応。ダイレクトでの左足シュートが右隅に決まり、3-0でU-18代表が勝利した。


後半41分、FW末宗寛士郎(岡山U-18) がインターセプトからの右足シュートを決め2-0


白星を大きく引き寄せるゴール


後半44分、U-18日本代表はFW久永虎次郎(G大阪ユース)が代表初ゴールを決め、3-0
今回の合宿で2年後のU-20ワールドカップへ向けて本格始動したU-18代表は、代表常連組も初選出5選手も活躍し、4連勝で活動を終了。城監督は「ここから競争です」と語り、各所属チームで主軸となる選手たちがより突き抜けてくることを期待した。彼ら同様、高校2年生のGK荒木琉偉(G大阪)に加え、いずれも早生まれのDF布施克真(日大藤沢高→筑波大)やFW高岡伶颯(日章学園高→サウサンプトン)、FW徳田誉(鹿島ユース→鹿島)ら早生まれ組のすでにU-20日本代表入りを果たしている選手たちや今回招集されていないタレント、新たに台頭してくる選手たちと競争。次回5月の欧州遠征へ向け、各選手は所属チームで成長を示す。
(取材・文 吉田太郎)