WEリーグMVPの22歳が日本女子代表(なでしこジャパン)初選出となった。20日に発表されたブラジル遠征メンバーで唯一の初選出は日テレ・東京ベレーザのDF山本柚月。オンライン会見に出席したニルス・ニールセン監督は「非常にすばらしいシーズンを過ごした」と評価を語った。

　東京NBでは最終節でも2ゴールを挙げ、今シーズン8得点を記録した。WEリーグ初優勝の立役者となり、MVPも受賞。ニールセン監督は「チームに貢献できる選手」と選出経緯を挙げつつ「初選出なので、チームをリードするというよりは学ぶ機会になると思っている。スピードやフィジカルの強さといった強みを表してもらいたい」と期待を寄せた。

　クラブではWBでのプレーだが、今回のメンバーリストではDF登録だった。指揮官は「トレーニングでテストして決めたいが、足りていないポジションはSB。最初はSBでの起用を考えている」と言及。「攻撃の好きな選手で、そこに強みのある選手なので、いろいろ試したい。ただSBが一番プレーイングタイムを得やすいと思っている」と現状での考えを明かした。

　世代別代表の常連ではあるが、今回初のなでしこジャパン入り。指揮官は「常に新しい選手は探している」と強調しながら、「早く呼びすぎてしまう可能性もあり、もちろん現時点での選手との競争もあるので、今回選んでいない選手もいる」と初選出には慎重な姿勢だ。

　山本を選んだ理由について、指揮官は改めて「安定感」だと説明する。全22試合出場したうえで8得点という点を指摘。「シーズンを通して安定したすばらしいパフォーマンスをしていたので今回選んでいる。一番重要なことは所属クラブで安定したプレーを続けていること。それによって今後代表選出という可能性が出てくるので、それは選手に対しても言いたい」と未来のなでしこジャパンにも伝えていた。

(取材・文　石川祐介)