1年ぶり代表復帰で鎌田とも久保とも共鳴した鈴木唯人「ああいうところで何かを起こすきっかけになれる」
シュートシーンで悔しそうな表情を見せたMF
オーストラリア戦の前半に生まれた日本代表最大のビッグチャンスは、1年ぶりの復帰戦で先発出場したMF鈴木唯人(ブレンビー→フライブルク)の即興的な判断からもたらされていた。
前半28分、左シャドーのMF鎌田大地が低い位置に降り、ビルドアップのサポートに回ると、右シャドーの鈴木はその背後をスペースを狙ってピッチの左へ。するとそこにDF町田浩樹からの縦パスが刺さり、鈴木はドリブルでの独走からフィニッシュにまで持ち込んだ。
「鎌田選手が左の落ちたところで組み立てるシーンが前半に続いていたので、鎌田選手が落ちることによって、あそこのスペースが空くのは最初からわかっていたし、あそこで数的優位ができるんじゃないかと思っていた」。シュートは惜しくも右に外れ、悔しがる姿を見せた鈴木だったが、攻めあぐねる時間帯が続いていたなかで個性が光ったシーンだった。
鈴木によると、名波浩コーチからは鎌田と同様に右サイドで低い位置を取り、組み立てに参加することを求められていたといい、左に流れたのは「自分の勝手な判断」。鎌田が前半から再三にわたる動きでボールを引き出し、何度も攻撃の起点を作っていたのを踏まえ、その次の経路を作ろうという狙いだった。
そうした周囲の選手に合わせた鈴木の即興性は後半、右シャドーにMF久保建英が投入され、左シャドーに回った後にも効果を発揮していた。今度は攻撃の中心が右サイドに移り、久保がサイドに開いて局面を打開したり、右ウイングバックのMF平河悠が中に絞って来たりするのに対し、うまく縦横のパスの選択肢を作ることでサポートしていた。
「単純にチームで求められている形だけでは崩し切れないとわかっていたし、あれだけ引かれた相手に対しては言われたことだけやっていても何も生まれないと思っていた。選手の特徴も分かった上で、たとえば久保選手が左足で持った時はだいたいここまではパスが出てくるだろうなという予想もついていたので、後半は何度か中に入って縦パスを受けたりというのがあった。ああいうオフ(ザ・ボール)の動きは今季ずっと意識していたので、そういうところが出たと思う」(鈴木)
鈴木がベンチから指示された“降りる”動きだけでなく、狭いスペースに顔を出すことにこだわるのは、自らのストロングポイントを表現するためでもあった。
「僕のストロングはライン間で厳しいところで受けることで、ミスもあったけど、ああいうところで何かを起こすきっかけになれる選手と思っている。落ちて組み立てるだけなら誰でもできると思うので、今回は落ちすぎずになるべくライン間で待って何かを起こしたいというのが試合に入る前に思っていたことだった」
試合前も、試合中もそのためのコミュニケーションは行っていた。
「このキャンプが始まってから『とりあえず見えたら出してくれ』『強いボールでも何でもいいからとりあえず出してくれ』というのは口酸っぱくなるほど言い続けていた」。
結果的には右シャドー本来の位置で縦パスを受けられた本数は少なく、「試合になればどうしてもあれだけ引かれた相手にだとシンプルに簡単にとなってしまう。自分も受けた時に強引にでも崩しにいくシーンが必要だったと終わってから思った」と出し手と受け手の双方に悔いを残したが、「もうちょっと入れてほしいシーンは多くあったけど、こういう試合を積み重ねていければ自分の特徴も他の選手にわかってもらえると思うので、ああいうところで我慢し続けていくしかない」と活路を模索し続けていく構えだ。
またもちろん、チームコンセプトに基づいたベンチからの要求にも応える姿勢も欠かさない。すでに名波コーチからはフィードバックを受けたといい、「練習中にも話したのはそのバランス」と鈴木。「自分が中に入りすぎてしまうとFWのコースを消してしまうので、タイミングと状況を合わせて動いていくことが大事。そこは試合を重ねるにつれてうまくできるようになってくると思う」と前向きな展望を口にした。
(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア最終予選特集
▶日本代表の最新情報はポッドキャストでも配信中
前半28分、左シャドーのMF鎌田大地が低い位置に降り、ビルドアップのサポートに回ると、右シャドーの鈴木はその背後をスペースを狙ってピッチの左へ。するとそこにDF町田浩樹からの縦パスが刺さり、鈴木はドリブルでの独走からフィニッシュにまで持ち込んだ。
「鎌田選手が左の落ちたところで組み立てるシーンが前半に続いていたので、鎌田選手が落ちることによって、あそこのスペースが空くのは最初からわかっていたし、あそこで数的優位ができるんじゃないかと思っていた」。シュートは惜しくも右に外れ、悔しがる姿を見せた鈴木だったが、攻めあぐねる時間帯が続いていたなかで個性が光ったシーンだった。
鈴木によると、名波浩コーチからは鎌田と同様に右サイドで低い位置を取り、組み立てに参加することを求められていたといい、左に流れたのは「自分の勝手な判断」。鎌田が前半から再三にわたる動きでボールを引き出し、何度も攻撃の起点を作っていたのを踏まえ、その次の経路を作ろうという狙いだった。
そうした周囲の選手に合わせた鈴木の即興性は後半、右シャドーにMF久保建英が投入され、左シャドーに回った後にも効果を発揮していた。今度は攻撃の中心が右サイドに移り、久保がサイドに開いて局面を打開したり、右ウイングバックのMF平河悠が中に絞って来たりするのに対し、うまく縦横のパスの選択肢を作ることでサポートしていた。
「単純にチームで求められている形だけでは崩し切れないとわかっていたし、あれだけ引かれた相手に対しては言われたことだけやっていても何も生まれないと思っていた。選手の特徴も分かった上で、たとえば久保選手が左足で持った時はだいたいここまではパスが出てくるだろうなという予想もついていたので、後半は何度か中に入って縦パスを受けたりというのがあった。ああいうオフ(ザ・ボール)の動きは今季ずっと意識していたので、そういうところが出たと思う」(鈴木)
鈴木がベンチから指示された“降りる”動きだけでなく、狭いスペースに顔を出すことにこだわるのは、自らのストロングポイントを表現するためでもあった。
「僕のストロングはライン間で厳しいところで受けることで、ミスもあったけど、ああいうところで何かを起こすきっかけになれる選手と思っている。落ちて組み立てるだけなら誰でもできると思うので、今回は落ちすぎずになるべくライン間で待って何かを起こしたいというのが試合に入る前に思っていたことだった」
試合前も、試合中もそのためのコミュニケーションは行っていた。
「このキャンプが始まってから『とりあえず見えたら出してくれ』『強いボールでも何でもいいからとりあえず出してくれ』というのは口酸っぱくなるほど言い続けていた」。
結果的には右シャドー本来の位置で縦パスを受けられた本数は少なく、「試合になればどうしてもあれだけ引かれた相手にだとシンプルに簡単にとなってしまう。自分も受けた時に強引にでも崩しにいくシーンが必要だったと終わってから思った」と出し手と受け手の双方に悔いを残したが、「もうちょっと入れてほしいシーンは多くあったけど、こういう試合を積み重ねていければ自分の特徴も他の選手にわかってもらえると思うので、ああいうところで我慢し続けていくしかない」と活路を模索し続けていく構えだ。
またもちろん、チームコンセプトに基づいたベンチからの要求にも応える姿勢も欠かさない。すでに名波コーチからはフィードバックを受けたといい、「練習中にも話したのはそのバランス」と鈴木。「自分が中に入りすぎてしまうとFWのコースを消してしまうので、タイミングと状況を合わせて動いていくことが大事。そこは試合を重ねるにつれてうまくできるようになってくると思う」と前向きな展望を口にした。
(取材・文 竹内達也)
●北中米W杯アジア最終予選特集
▶日本代表の最新情報はポッドキャストでも配信中


