[10.14 キリンチャレンジ杯 日本 3-2 ブラジル 味スタ]

　MF南野拓実はブラジル相手に2点差をひっくり返す歴史的な勝利に手応えを感じるとともに、ワールドカップで勝つためには2失点を喫した前半の改善を図っていく考えだ。

　日本代表はキックオフから非保持の状況では5-4-1の布陣を取り、コンパクトなミドルブロックを敷いてブラジルに対応する戦術を見せた。ところが相手の攻撃を抑えられず、前半26分に先制点を許すと同32分には2点目を決められて0-2で前半を終えた。

　すると日本は後半、前からの積極的な守備とマンツーマンで圧を強める戦い方に変更。前半のミドルブロック戦術で体力を温存できたこともあってブラジルを押し返していくと、最前線で相手DFのパスミスをカットした南野の得点を皮切りに開始26分間で3ゴールの猛反撃を見せ、逆転勝利を収めた。

　こうした試合展開はドイツ、スペインを破ったカタールワールドカップを想い起こすもの。南野は「前半終わった時点で後半そのパターンしかないなというのがあった」と話し、「これは一つの成功例じゃないかなと。(戦い方の選択肢を)持っていてそれを示せたのが良かった」と総括した。

　もっとも南野は「W杯は分析されて、こういうカタールでやっていたような戦い方を警戒されるかもしれない」と指摘する。成功体験を重ねているからこそ他国は日本のストロングポイントとして対策を練り、ハイプレスのマンツーマン戦術に対応していくことも考えられる。その場合、追いかける得点差が大きいほど反撃は難しくなる。

　南野はそうしたことから「この戦い方をするにしても、後半にパワーを持っていくにしても前半を0-0でいけるチームにしていかなければいけない」と強調。ブラジル戦を控えた練習後も前半の無失点をポイントに挙げていた中での2失点となり、「やっぱりビハインドは負うべきじゃない」と反省した。

　とはいえ、この日の戦い方が大きな武器であることも事実。南野も格上と対戦する際の選択肢だと考える中で「前半の戦い方をもうちょっと強豪相手にできるようになれば」と述べ、より勝利に近づく試合運びを目指していく姿勢だ。

(取材・文　加藤直岐)

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