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日本の守護神として「ああいうセーブをすることを夢見ていた」、GK村松秀司(ロサンゼルスFC)がアジアでの悔しさ晴らす“W杯クリーンシート”

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GK村松秀司(ロサンゼルスFC)

[11.3 U-17W杯GL第1節 日本 2-0 モロッコ ドーハ]

 2-0。U-17ワールドカップ初戦の記録にクリーンシートが刻まれた瞬間、GK村松秀司(ロサンゼルスFC)は会心の笑みを浮かべていた。

 試合後、取材ゾーンに現れた村松も「この日本のエンブレムをちゃんと代表して戦いたかったので」と語り、満面の笑顔を浮かべていた。

 アメリカ育ちだからこそ、日本を代表して戦うことに特別な意味を感じているのはこれまでも伝わってきたが、今大会に向けてはさらに特別な思いを抱いているようにも見えた。その理由を村松は「チームには言っていないですけど」としつつ、「(アジアカップで)俺が悔しいプレーを本当にやってしまっていたので、自分でリベンジをしたかったんです」と語る。

 今年4月に行われたAFC U17アジアカップで村松は正GKとして期待されながらも大会直前に負傷。途中からゴールを預かる流れとなったが、思い描いていたようなプレーを見せられず、最後は8強での敗退を経験してしまった。そこで日本のエンブレムを付けて戦うことの重みもあらためて感じた上で、今大会に臨んでいた。

「チームも俺がやるのを信じてくれていた。それを返せたという感じでした」

 アジアカップでチームの無失点試合はゼロ。準備段階の試合でも失点が続いていた。それだけに、守備陣全体として無失点は一つの悲願でもあった。大会初戦にそれを達成できたのは、外野から見えている以上に、当事者たちにとっては大きかったようだ。

「ギシさん(山岸範宏GKコーチ)も、しっかり練習とかでもう指導してくれて、これまでミスとかあったんですけれど、練習でちゃんとフィックスして、ここまで来られた。それができたのはスタッフと、ほかのキーパーたちのおかげです。平野と松浦のおかげで、今日のプレーができました。本当に感謝です」

 村松の「感謝」は守備陣の仲間たちにも向けられる。

「俺がちょっと『やばい』っていう感覚になった瞬間も、アスト(藤田明日翔)とか、ショウタ(藤井翔大)とか、アントニー(元砂晏翔仁ウデンバ)もすぐ俺の助けに来てくれた。本当にありがたいです」

 また、試合のハイライトともなった前半に相手の強烈なミドルシュートを防いだシーンについては「ワールドカップでああいうセーブをすることをキーパーとして夢に見ていた。(シュートする場面は)もう何も見えてなかったけど、しっかり止められた」と胸を張る。

 あこがれの存在であるA代表のGK鈴木彩艶のようなセーブだったと記者から言われると、「彩艶選手の動画でいつも観てきたんで」と、また笑顔を浮かべた。

 もちろん、これでエンディングというわけではない。日本の守護神は「最初の試合でやれただけ。続けてやらないといけない」とも強調し、勝って兜の緒を締め直してもいた。

(取材・文 川端暁彦)


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川端暁彦
Text by 川端暁彦

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