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大ブランク乗り越えた34歳DF谷口彰悟、組織でも個でも輝く復活劇「自分自身を取り戻すだけじゃここにはいられない」

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DF谷口彰悟(シントトロイデン)

 左足アキレス腱断裂という選手生命を左右する大ケガを乗り越えた34歳のDF谷口彰悟(シントトロイデン)が日本代表で鮮やかな復活劇を見せている。10月シリーズで約1年ぶりの代表入りを果たすと、ブラジル戦(◯3-2)とガーナ戦(◯2-0)に2試合連続で先発出場。3バックの中央で見事な統率力を発揮し、W杯出場が決まって以降“対W杯出場国”に3分け2敗と苦しい戦いが続いていた森保ジャパンを連勝に導いた。

 年内最終戦のボリビア戦(18日・国立)を翌日に控えた17日の練習後、谷口は現在の3バックへの大きな手応えを語った。

「3バックのシステムは昨年の最終予選から本格的に取り入れてやっていて、僕は1年間くらいブランクがあったけど、3枚のフォーメーションの積み上げはものすごくできているというのを久しぶりに帰ってきて思ったし、そのなかで後ろのメンバーが変わりながら組んだ時に共通理解の部分と、おのおののスペシャルな部分をどう出していくかの積み上げがよりできていると感じている」(谷口)

 もっとも、そのような積み上げが結果に結びつくようになったのは谷口の功績が大きい。日本代表は3月のバーレーン戦でW杯出場権を獲得した後、W杯出場国との対戦では3月のサウジアラビア戦(△0-0)、6月のオーストラリア戦(●0-1)、9月のメキシコ戦(△0-0)とアメリカ戦(●0-2)、10月のパラグアイ戦(△2-2)で5試合勝ちなし。復帰後は2連勝しており、出場時と欠場時の結果がくっきりと分かれている。

 結果が出ていない時期はCB陣の負傷者続出に伴い、新戦力のテストが積極的に行われていたことが不調の要因と思われていた。しかし、その時期に台頭してきた選手とタッグを組んでも、チームを機能させているのが谷口の強みだ。

 ブラジル戦とガーナ戦では左に鈴木淳之介、右に渡辺剛という個性の異なるCBが起用されたが、谷口は彼らの個性を統率。その上で対人のデュエルでも強さを発揮した。谷口自身は「個々の特徴はある程度理解しているし、そういったことを活かしながら自分のところでリーダーシップを取って、主導権を取ってやり続けるところで、うまく周りも反応してくれるし、いい関係性を築けているからだと思う」と謙虚に語るが、たえず頭を整理しながら周囲との連係を保ち続けるのは簡単なことではない。

 そんな谷口は試合中に行っている思考を次のように語る。

「おのおのの特徴をしっかり理解しながら、あとはチーム全体として“対相手”というのを考えた時、どっちから攻めたほうがいいのか、どういうところにストロングがあるのか、こういう状況ならこっちからのほうが展開しやすいなというのは頭に入っている。実際にゲームが始まってからのフィーリングもあるので、それを自分自身が真ん中で感じながらやれるのは自分自身もすごくやりやすいし、自分の特徴を出しやすいポジションかなと思っている。頭の中を整理しながらやれていると思う」(谷口)

 谷口によると、そうした「頭の整理」は長期離脱中に成長した一つの要素。「何をしないといけないのか、何が必要なのかを試合中もそうだし、いろんなことを整理しながらやれている」。その積み上げを長期離脱から間もない時期にパフォーマンスに転化させるのも並大抵のミッションではないが、その高いハードルは織り込み済みで代表の舞台に戻ってきた。

「じゃないとここにいられない思いが強い。みんなもどんどん進化しているし、自分自身を取り戻すだけじゃここにはいられないと思っている。より成長して、もっともっと高いレベルの選手たちと一緒に戦う、相手として戦うのはもっともっと自分自身に求めていかないといけない。そういう意味ではいいメンタリティーでサッカーができているというか、またここに来て代表選手として自分の価値をもっともっと高めながらレベルアップを求めている自分がいる。そこはいいことなのかなと思う」(谷口)

 現在もCB陣の負傷者が続いており、今後もこうした谷口の個性は重宝されるはず。実際に18日のボリビア戦では10月シリーズを負傷辞退したDF板倉滉の先発復帰が有力視されるなか、再び3バックの顔ぶれが入れ替わる予定となっており、おそらく来年3月シリーズでも同様の傾向が続いていく見込みだ。

 だが、その中でも谷口の姿勢に変わりはない。「誰がどんな形で出ても高いパフォーマンスを発揮しないといけないというのはこのチームで変わりはないし、そこは自分自身にも求めながら。相手が変わっても、相手のフォーメーションなどいろんな特徴が変わるなかでもしっかり適応して、対応して、高いパフォーマンスを出すのをやり続けていかないといけない」。たゆまぬ継続の先に、2度目のW杯が待っている。

(取材・文 竹内達也)

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竹内達也
Text by 竹内達也

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