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U-22注目の194cmFW指宿「FWの仕事は高さ、技術ではなく点を取ること」

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 スペインで奮闘する194cmの大型FW指宿洋史(セビージャ・アトレチコ)が26日、今年2月の中東遠征以来となるU-22日本代表候補へ合流。ミーティングだけの参加ではあったが、強豪、セビージャの下部組織に当たるチーム(セグンダ・ディビシオンB=スペイン3部)で二桁ゴールを決めるなど高さとゴールハンターとしての才能にも注目の集まる存在だ。

 ミーティング後に「(自分は)このチームで実際に1回しか参加していない。仲間、スタッフさんと顔を合わせて有意義だった」と振り返った指宿はチームの印象について「いいチームだと思う。まだまだ可能性のあるチームだと思うし、まだまだ悪いチームでもある。ただここまでの段階では順調に来ていると思う」と語った。

 今回の合宿ではGKを含めてもトップの194cmという高さ。この高さは予選で1トップを務めてきたFW大迫勇也の182cmやFW永井謙佑の177cmを大きく上回る貴重な武器となりそうだ。ただ指宿は言い切る。「高さでアピールしたいのはもちろんあります。ただ、FWの仕事は高さでもなく、足元の技術でもなく、『点を取ること』。そこで貢献したいと思う」。

 スペインで最も学んできたこともゴールへ向かう姿勢と点を取るための術だ。「CBとの駆け引き、味方のボールをゴールの近くで受けること。組み立てに加わるよりも常にゴールできるポジションを探すこと」。だからこそ結果にこだわる。「チームで結果を残すこと。ボクの中で日本代表やオリンピック代表というものは自分のチームで結果を出してその先にあるもの。一番大事なのは自分のいる場所で結果を残し続けることだと思う」。2月の初招集以来、10ヵ月間は評価こそ得ていたものの、まだ絶対ではなかった。だからこそ、これからもスペインで結果を出すことにこだわる。

 U-19日本代表だった昨年のAFC U-19選手権では、勝てばU-20W杯出場だった準々決勝の韓国戦を2-3で敗れて世界切符を目前で逃した。指宿は2ゴールを奪ったものの、チームの勝利につなげることができなかった。「この2年間はすごく大きなものがある。ボク自身は成長できたか分からないですけれども、いろいろなことを学ぶことができたと思う」。当時から「壁を破っても破っても出てくる。辛いことはあるけれどそれは毎日毎日消化していく」と厳しい世界、スペインで戦ってきた。関塚ジャパン期待の大型FWは、まだ自身にとって乗り越えることのできない壁となっている予選メンバー入りをまず果たし、信頼を高めて「オリンピックはすごく特別なもの。サッカー人生を歩む上で欠かせない」というロンドン五輪のピッチに立つ。

(取材・文 吉田太郎)

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