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19歳宮吉がロンドンへアピール弾、「今回逃したら五輪に出るチャンスはない」

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[4.11 練習試合 U-23日本代表候補1-0仙台 ユアスタ]

 ロンドン五輪へアピール弾だ。U-23日本代表候補に初招集された19歳のFW宮吉拓実(京都)が練習試合で1得点。J1首位を走る仙台から唯一のゴールを奪い、ロンドン五輪本大会でのメンバー入りを猛アピールした。

 持ち前の得点感覚を発揮した。前半35分から2トップの一角で途中出場すると、後半7分だ。インターセプトしたDF實藤友紀が一気にドリブルで駆け上がり、宮吉は最終ラインとの駆け引きから背後を取った。斜めのスルーパスに抜け出し、GKと1対1に。左足でボールを浮かせたチップキックでGKの頭上を越し、ゴールネットを揺らした。

「点取り屋の感覚というか、シュートがうまいというのは感じていた。それを今日も出してくれたと思う。今までの選手とは一味違ったタイプの選手で、そういう面白さは感じた」。関塚隆監督はそう評価し、「(實藤の)パスのアングルと(宮吉が)入ってくる感覚がよかった。開きながら左足で打つシュートのうまさもあった」と絶賛だった。

 それでも「初めてこのチームに入って、まだまだだと思った」と本人の自己採点は厳しい。「自分の色を出せたらと思っていた。最終ラインとの駆け引きとか裏に抜けるところとか、いくつかは出せたけど、このチームに入っていくために、もっともっとやらないといけないこともある。まだまだチームに帰ってレベルアップしたい」と貪欲に語った。

 今年8月で20歳になる19歳の宮吉はU-23世代では最も下の年代にあたるが、23歳以下の選手として出場できる五輪はロンドン大会が最後。「今回逃したら年齢的に五輪に出るチャンスがない。チャンスがあったら狙っていきたいし、京都に帰ってしっかりアピールしたい」と力を込める。「この合宿のメンバーに入る前よりはそういう意識も出てきた」。あらためて強めた五輪への思い。この日のゴールが、ロンドンへの道を切り開く第一歩となったかもしれない。

(取材・文 西山紘平)

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