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退場者3人、両チーム合計8ゴール…柏が大逆転で壮絶な打ち合い制す

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[7.14 J1第18節 清水3-5柏 アウスタ]

 両チーム合わせて3人の退場者を出した試合は柏レイソルが終盤の4ゴールで2点差をひっくり返し、5-3で逆転勝ちした。清水エスパルスは0-1の前半37分にFW大前元紀がPKで同点ゴール。Jリーグ史上6クラブ目となる通算1000ゴールを達成すると、同44分にDF岩下敬輔が退場しながら、後半8分、17分のゴールで3-1と逆転した。ところが、柏は後半29分にFW工藤壮人、同43分にDF橋本和のゴールで追いつくと、後半ロスタイムにMF水野晃樹が再逆転となる決勝点。さらに工藤が2点目を決め、5-3の大逆転勝利をおさめた。

 前半から波乱含みの展開だった。清水は前半12分、FW河井陽介が左サイドからクロスを上げると、ボールはPA内のDF那須大亮の手に当たり、PKを獲得。先制点&J通算1000ゴールの絶好のチャンスを得たが、MF小野伸二のキックはゴール左へ外れ、まさかの失敗となった。すると今度は前半32分、那須の右クロスをゴール前の岩下がハンド。柏がお返しとばかりにPKを獲得すると、MFレアンドロ・ドミンゲスは落ち着いて決め、先制に成功した。

 ところが、そのわずか2分後だった。清水は波状攻撃からPA内で大前がMF栗澤僚一に倒されたとして、この日2度目のPKを手にする。キッカーは大前。今度こそゴール左隅にねじ込み、チームにとって3試合ぶりのゴールが値千金の同点弾となり、Jリーグ6クラブ目の通算1000ゴールも達成した。

 1-1の同点に追いついた清水は前半40分、岩下のアーリークロスにFW高原直泰がダイビングヘッドで合わせるなど勢い付く。しかし、同44分、MF澤昌克に対するスライディングタックルで岩下がこの試合2枚目のイエローカードを受け、退場処分となった。

 10人で後半を迎えた清水だったが、数的不利を感じさせない試合を見せる。後半8分、右サイドからのDF李記帝のFKをニアサイドの高原が頭でそらし、勝ち越しのゴールネットを揺らした。さらに同17分、レアンドロのパスミスを奪ったFWアレックスがそのまま持ち込み、左足で追加点。10人の清水が連続ゴールで3-1とリードを広げた。

 後半21分には両チームが退場者を出す。清水DF吉田豊と柏MFジョルジ・ワグネルが空中戦で競り合うと、吉田のひじが当たったジョルジが激高。ピッチに倒れ込んだ状態で吉田を蹴る乱暴な行為で一発退場を命じられた。西村雄一主審はさらに競り合い時のひじ打ちで吉田に警告を提示。これが2枚目のイエローカードとなり、吉田も退場となった。

 清水が9人、柏が10人となった試合は、ここからさらに激しさを増す。2点ビハインドの柏は猛攻を仕掛け、清水を押し込むと、後半29分に途中出場の工藤が追撃弾。右後方からの栗澤のアーリークロスを澤が頭で落とし、工藤が右足ボレーで叩き込んだ。

 2-3と1点差に迫り、勢い付く柏。9人の清水も粘り強いディフェンスで跳ね返していたが、後半43分、那須の右クロスをGK林彰洋がパンチングでCKに逃れようとすると、ボールはクロスバーに当たって跳ね返り、ゴール前に詰めていた橋本が頭で押し込んだ。

 これで3-3。流れは完全に柏に傾き、後半ロスタイムに清水の決定機をGK菅野孝憲がビッグセーブでしのぐと、そこから一気のカウンターで決勝点を陥れた。中央を駆け上がる水野が左サイドに展開。橋本のグラウンダーの折り返しはDFカルフィン・ヨン・ア・ピンがスライディングでカットしたが、こぼれ球を水野が蹴り込む。4-3とついに試合をひっくり返し、さらに工藤がダメ押しの5点目を決め、5-3という壮絶な打ち合いを制した。

 10年6月の柏加入後、初ゴールとなった水野のJリーグでの得点は千葉時代の07年以来、5シーズンぶり。「カウンター合戦みたいな感じになっていたので、こぼれ球は絶対にチャンスだと思っていた。シュートは枠を外さないように落ち着いて蹴った」と振り返り、「(移籍後)初ゴールまで長かったので、これからも結果を出し続けて、上位を狙うためにも連勝していきたい」と意気込んでいた。

 前節・名古屋戦(1-2)で8試合ぶりの黒星を喫していた柏は2戦ぶりの白星で連敗を免れた。一方の清水は数的不利に立ちながら一時は逆転に成功したが、終わってみれば今季最多の5失点。これで8試合連続白星なし(4分4敗)で、ホームでは今季公式戦初黒星となった。

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