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Jリーグ東日本大震災復興支援スペシャルマッチ、試合後の選手コメント

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[7.21 東日本大震災復興支援スペシャルマッチ JリーグTEAM AS ONE4-0Jリーグ選抜 カシマ]

 東日本大震災復興支援 2012Jリーグスペシャルマッチが21日にカシマスタジアムで行われた。ベガルタ仙台、鹿島アントラーズ、東北出身選手、海外招待選手からの選抜メンバーで構成されるJリーグTEAM AS ONEとJリーグTEAM AS ONEに該当しない選手の中から投票および推薦で決定されたJリーグ選抜が対戦。試合は前半36分にMF梁勇基が決めてTEAM AS ONEが先制すると、後半25分にはFWアレッサンドロ・デル・ピエロがミドルシュートで追加点。直後にはFW赤嶺真吾がダメ押しの3点目を決め、後半41分にはMF太田吉彰がゴール。仙台の3選手が結果を残し、TEAM AS ONEが4-0で勝利した。

以下、試合後の選手コメント

●MFアレッサンドロ・デル・ピエロ
「このような場に呼んでいただき、たいへん嬉しく思います。私は日本国民の皆さんをいつも近くに感じています。今日は多くのプレーはできなかったのですが、すごくいいパワーをたくさん与えられたのではないかと思います。皆さんに『ありがとう』と言いたい。また早くこの場に帰ってきたいと思っています」

―試合の感想は?
「両チームとも、テクニックの面でも準備の面でも素晴らしかった。私はそんなに動けなかったのですが、皆さんが助けてくれて、感謝しています。大きな喜びと達成感とともにイタリアに帰ることができます」

―なぜ日本が好きなのですか?
「小学生のときに、地理のテストで先生に『好きな国を選んでそれについて発表しなさい』と言われて、なぜかはわかりませんが私は日本を選びました。プロになってからも(日本で開催された)インターコンチネンタルカップ(トヨタカップ)でゴールを決めて勝てたということで、特別な関係が続いています」

―来シーズンはどこでプレーしそうですか?
「まだ決まっていないということもここに参加する理由になりました。そうでなければ合宿に参加しないといけなかった。でもそれはいい決断だったと思っています。どこに行くかわかりませんが、今までの経験から、まだすごくプレーしたい、楽しみたいという気持ちがあります」

●FW柳沢敦(仙台)
―このような試合をやった意義は?
「まだまだ本当に大変なところが多い。仙台でも定期的に被災地を回っているが、(震災の)当時は、起きた事に対応するのに気を張っていたけれど、逆に落ち着いてきた今の方が精神的にどっと疲れが出たり、先行き不安になったりしているという声を聞きます。新しい問題が出てきているんです。今は、まだまだ復興まですごく時間がかかるということを改めて感じていますし、まだまだ皆さんが(被災者の)皆を応援しているということを忘れないために、この試合が役に立てればいい」

―試合が始まってすぐ、デル・ピエロ選手からナイスパスがきましたが?
「あれは決めておきたかったシュートでした。世界のスター選手と同じピッチに立てたというのは、僕自身にとってプラスな経験になったし、(デル・ピエロとは)年齢的にも近い。3歳違いです。そういう人の姿勢、プレーは今の自分にとって勉強になります。そういう年齢でも、第一線でやれるには、どういうことが必要なのかを表現してくれる人です」

―話をしましたか?
「どういうトレーニングをしているのか、筋トレなどどうやっているか聞きました。毎日やっていると聞きました」

―カシマスタジアムでの柳沢コールは?
「懐かしかったです。チームが変わると応援歌が変わるのですが、慣れ親しんだ応援歌が聞けてうれしかったです」

●MF小笠原満男(鹿島)
―試合の感想は?
「非常に素晴らしい雰囲気でやれて良かったです。敵味方関係なく、今日に限っては皆がサッカーを好きだという気持ちでやれたと思う。皆でまたがんばろうという雰囲気を、すごく感じたので、これが日本中の人たちに伝わって、また、復興というものに対して見直してもらえる試合になればいいと思います」

―デル・ピエロのFKのとき、ボールを置き直していたが?
「ちょっと距離があったので、入れて欲しいなと思って前に出しましたが、誰一人文句言わず……。あれは決まらなかったけど、でも、自力でゴールを決めてくれた。こうやって、遠いところへわざわざ来てくれてうれしい。世界的に知名度のある彼ですら、日本のためを思ってこうやってアクションを起こしてくれた。確実に気持ちが伝わったと思うし、日本中のみなさんに、まだまだ支援を必要としているところはあるのだということを知ってもらうきっかけ、もう一度アクションを起こしてもらうきっかけになってほしいです」

―この試合から何を知ってもらいたい?
「この試合を通じて、復興はまだなんですよという現状を知ってもらいたい。力になれる方向をそれぞれ知ってもらいたい。茨城は風評被害もある。まだボランティアを受け付けているところもあるし、支援が必要なところはいっぱいあるので、日本中で力になってもらいたい」

(取材・文 矢内由美子)

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