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10人の清水が逆転勝利!! 9戦ぶり敗戦の広島は2位転落

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[8.4 J1第20節 広島 1-2 清水 広島ビ]

 サンフレッチェ広島が、20周年記念試合と銘打った清水エスパルスとの一戦は、広島にとって、あまりに悔しい一戦となってしまった。エースのFW佐藤寿人のゴールで先制し、さらに後半11分には清水のDF李記帝が退場し、数的優位を得た。しかし、後半35分に清水のFW高木俊幸に1点を返されると、その4分後にもPKを与えてしまう。これをGK西川周作が一度は止めたが、PKを蹴ったFW大前元紀に詰められて逆転されてしまった。このまま広島は1-2で敗れ、勝ち点1を重ねた仙台に首位の座を譲った。

 ここ8試合無敗(5勝3分け)で首位に立つ広島は、前節と同じメンバーでこの試合に臨んだ。勢いそのままに開始2分、左サイドを突破したMF清水航平の折り返しを佐藤が左足で決めた。エースの3試合連続、今季16点目となるゴールで、広島が幸先良く先制する。

 反撃に出る清水は前半14分、DFヨン・ア・ピンのクロスにFW大前が合わせるが、ボールはクロスバーを越えて行った。同22分にも右SB吉田豊のクロスをMF小林大悟がオーバーヘッドでゴールを狙うが、ボールは左に外れて行った。追加点を狙う広島も、DF千葉和彦のロングボールから清水が抜け出し、折り返したボールを再び佐藤が狙ったが、今度は清水DFにブロックされてしまった。

 一進一退の展開が続く中で、後半11分には広島のMF森崎和幸が右サイドのMF石川大徳にロングボールを送る。ドリブルを仕掛けた石川が倒されると、これで2枚目の警告を受けた清水の李記帝は退場となる。10人での戦いを強いられた清水だが、8節には9人でF東京に1-0で勝利しているチームが、終盤に再びドラマを起こす。

 後半35分、高木が左サイドから仕掛けてシュートを放つと、MF青山敏弘に当たったボールは懸命に反応したGK西川の指先を抜けて同点に追い付く。さらに、その2分後にも高木はPA内でDF{[森脇良太}}に倒されてPKを獲得する。このPKのキッカーを大前が務めた。シュートは西川に止められたが、こぼれ球に詰めた大前がゴールに流し込み、清水が土壇場で逆転に成功。10試合ぶりに勝利を挙げて、11位に浮上した。

 清水のアフシン・ゴトビ監督は「レッドカードが試合は難しくなりましたが、それによって選手は持てる能力をすべて出せたと思います。選手が減っても、私たちはすべての試合で勝利を目指しています。勝てない試合が続きましたが、首位の相手にこうして勝てたことは、ファン、選手、そしてクラブにとって大きいと思います」と振り返った。

 一方、メモリアルマッチを飾れなかった広島・森保一監督は「落としてはいけない試合を落とした。それがすべて。相手に退場者が出て、数的優位を得たときのチャンスを決められずにカウンターを許して失点してしまい、敗戦に至ったと思います。クラブの創立20周年の節目の試合に勝ち、サポーターのみなさんと喜びたかったのに、こういう敗戦になって申し訳なく思いますし、今後のリーグを戦う上でも、首位にいて自分たち次第でトップに居続けることができた状態で、試合を落としたのは痛かったです」と肩を落とした。

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