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新加入FWノヴァコビッチの一撃で大宮がF東京に勝利

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[8.18 J1第22節 F東京 0-1 大宮 味スタ]

 序盤の好調から一転、4戦未勝利で11位まで順位を落としたFC東京と、降格圏内の16位に沈む大宮アルディージャの一戦。試合が動いたのは後半33分だった。途中出場したFWノヴァコビッチが、DFに寄せられながらもゴール左隅にシュートを流し込み、アウェーの大宮が先制する。その後、人数を掛けて攻めるF東京に対し、大宮は守備を固めて守り抜き、勝ち点3を加えた。

 ロンドン五輪が終わり、主力選手が戻った両チーム。F東京はGK権田修一とDF徳永悠平、大宮はMF東慶悟と、ともに約1か月ぶりにチームに復帰した選手たちがスタメンで起用された。

 開始直後、いきなりF東京にチャンスが訪れる。PA内でボールを受けたFWエジミウソンがゴールを狙ったが、GK江角浩司にパンチングで防がれた。対する大宮も2分、距離のある位置からMF渡邉大剛がミドルシュート。ゴールの隅に飛んだボールは、GK権田が弾き出した。9分には再びF東京のMFルーカスがMF梶山陽平とのワンツーからミドルシュートで大宮ゴールを脅かしたが、これはわずかに右へ外れて行く。

 立ち上がりは一進一退の攻防が続いたが、徐々に大宮が両サイドからチャンスをつくり出す。前半12分には左サイドからDF下平匠がゴール前にクロスを入れる。これをF東京のDF中村北斗が目測を誤ると、ボールは大宮の渡邉大の下へ。渡邉大はシュートを打ちきれなかったが、こぼれ球を拾ったDF渡部大輔がシュートする。しかし、これもDF森重真人にブロックされ、得点にはつながらない。同17分にも大宮は右サイドからのクロスに東が飛び込んだが、体を寄せてきたF東京のDFにブロックされ、シュートは打てない。

 なかなかチャンスをつくれなかったF東京も、27分には最終ラインの裏を取ったMF梶山陽平がシャペウでDFをかわしてシュートを打つ。ボールはDFに当たって、右ポストを叩きゴール内に向かって転がったが、ラインを越える前にDF片岡洋介にクリアーされた。このクリアーボールをつないだ大宮は、右サイドから渡邉大が左足でミドルシュートを狙う。GK権田はシュートを後方に逸らしたが、ボールはクロスバーを叩き、再び権田がキャッチした。

 主導権を握る大宮は、36分にもFW長谷川悠が反転してチップキックで最終ラインの裏にパスを出す。パスを受けた東がシュートに持ち込んだが、ここはオフサイドを取られてしまう。その後も、パスミスの続くF東京に対し、大宮がチャンスをつくり続ける。38分にはMF青木拓矢からのパスを最終ラインの背後で長谷川悠が受けたが、DFに体を入れられてしまい、シュートは打てなかった。このまま前半は0-0で折り返す。

 後半に入ると、立ち上がりからF東京が攻勢に出る。石川を中心に積極的に大宮ゴールに襲いかかった。後半8分には、梶山が左足で強烈なミドルシュートを放ったが、GKがパンチングで逃れる。このCKからDF高橋秀人がゴールを狙ったが、ボールはゴール右に外れて行った。対する大宮は11分、MFカルリーニョスがドリブルで長い距離を持ち上がると、相手に倒されてFKを獲得する。このFKをカルリーニョスが自ら狙ったが、ボールはGK権田に正面でキャッチされる。

 また、14分にはパス回しを見せたF東京の徳永がシュート。これはDFにブロックされたが、CKを得たF東京はDFのクリアーを梶山がダイレクトで狙う。ブラインドの難しい状況だったが、GK江角が反応して得点を与えなかった。

 先に動いたのは大宮のベルデニック監督だった。前半20分、FW長谷川に代わり、FWノヴァコヴィッチが起用される。この交代直後のCKで大宮は、PA内で青木がシュートを打つが、ミートできなかった。対するF東京も22分、MF長谷川アーリアジャスールがエジミウソンとのワンツーからゴールを狙ったが、ボールは左に外れて行った。

 この直後にF東京は石川を下げ、加入したばかりのMFヴチチェヴィッチを起用した。この交代後、最初のチャンスをつくったのは大宮だった。MF金澤慎が強烈なシュートでゴールを狙う。その後もサイドにボールを散らし、クロスを入れるが、フィニッシュを打つことはできない。

 後半31分にも、両ベンチが動く。下平を下げて、DF河本裕之をピッチに送り出した大宮に対し、F東京もエジミウソンに代えて、FW渡邉千真を1トップの位置に入れた。その2分後に先制したのは大宮だった。右サイドの渡邉大が折り返したボールを、ゴール正面で受けたノヴァコビッチが、ゴール左隅にシュートを決めて見せた。

 1点を追う形になったF東京は、ここから猛攻を仕掛ける。後半39分には米本からのスルーパスを受けた渡邉千がループシュートでゴールを狙ったが、ゴールラインを割る直前にDFがクリアーし、同点ゴールは挙げられない。後半41分にはPA内でルーカスからのパスを受けたヴチチェビッチがボレーでゴールを狙ったが、ボールはゴールマウスの上へ外れて行った。

 後半42分、大宮は金澤を下げて、DF鈴木規郎を起用する。F東京も、その1分後には中村を下げて、MF三田啓貴をピッチに送り出した。45分には米本の縦パスをPA内で受けた三田が左足でシュート。しかし、これもGK江角に弾かれてしまい、得点することはできなかった。最後まで攻めたF東京だったが、同点ゴールを挙げることはできず。これで5試合未勝利となった。対する大宮は16節の清水戦以来、6試合ぶりの勝利を挙げている。

(取材・文 河合拓)

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