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特別指定・瀬沼のJ初ゴールで清水が逆転勝ち、10人の仙台は首位遠のく

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[9.29 J1第27節 清水3-1仙台 アウスタ]

 清水エスパルスが2位ベガルタ仙台に3-1で逆転勝ちし、3試合ぶりの白星を手にした。前半14分に先制点を許すが、仙台DF鎌田次郎が後半15分に退場になると、10人の相手を押し込み、逆転に成功した。仙台は15日の広島戦(1-2)以来、2試合ぶりの黒星。この日、広島が勝ったため、残り7試合で首位・広島との勝ち点差は「5」に広がった。

 後半39分に勝ち越しの決勝点を決めたのは、筑波大在学中の特別指定選手で、来季からの入団が内定しているFW瀬沼優司。「プレーしていたら忘れちゃいました」と、試合後は得点シーンを思い出せないほど興奮したJ初ゴール。公式戦デビューとなった8月8日のナビスコ杯準々決勝第2戦・名古屋戦(4-3)でも途中出場で同点ゴールを決めた瀬沼にとって、この日がリーグ戦初出場。ナビスコ杯に続きリーグ戦でも“デビュー弾”を決めてみせた。

 FWアレックスがアルアイン(UAE)に移籍し、MF村松大輔が出場停止の清水は右SBで三吉聖王が公式戦初先発。MF河井陽介がボランチに入り、GK林彰洋が8試合ぶりに先発した。先制したのは仙台だった。前半14分、右サイドのスローインからMF太田吉彰のクロスボールに飛び込んだDF菅井直樹がヘディングシュート。右SBの一撃で仙台が均衡を破った。その後はこう着状態に入り、前半のシュート数は清水が1本、仙台が3本。互いになかなかチャンスをつくれず、前半は仙台の1点リードで折り返した。

 試合は後半に大きく動く。流れが変わったのは後半15分のワンプレーだった。清水MF八反田康平のドリブル突破を体で止めた鎌田にイエローカード。この試合2度目の警告で退場となった。数的優位に立った清水がここから猛攻に出る。まずは後半25分、DFカルフィン・ヨン・ア・ピンの左クロスにニアサイドで合わせたFW金賢聖がヘディングで角度を変え、同点ゴール。今夏のロンドン五輪後に加入したロンドン五輪韓国代表FWの来日初ゴールで同点に追いついた。

 仙台はさらなるアクシデントに見舞われる。後半35分、金と競り合ったDF上本大海が頭部を強打。ピッチに倒れ込むと、そのまま交代を余儀なくされた。鎌田、上本という両CBを欠いた仙台は清水の攻勢を抑え切れない。清水は後半39分、FW大前元紀の右CKに瀬沼が頭で合わせ、勝ち越しゴール。後半ロスタイムにはハーフウェーラインを越えた位置から金が思い切ったロングシュートを狙うと、ボールをキャッチしようとしたGK林卓人がまさかのファンブルで後方にこぼし、そのままゴールイン。3-1と試合を決定づけた。

 Jリーグ初ゴールを含む2得点の活躍を見せた金は「これまでなかなか点が取れず、もどかしい気持ちもあったけど、今日やっと決めることできて、これからはどんどん取っていけると思う」と力説。2点目のロングシュートについては「GKが出ているのが見えたので、なんとなく蹴ってみたら、そのまま入ってよかった」と笑顔を見せていた。

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