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J1残留に望みつなぐJ初ゴールの新潟DF金珍洙「あとは祈るだけ」

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[11.24 J1第33節 仙台0-1新潟 ユアスタ]

 嬉しいJ初ゴールがチームを降格の危機から救った。引き分け以下の結果で、即J2降格が決まっていたアルビレックス新潟は、24日に行われた第33節で優勝を目指すベガルタ仙台と対戦し、1-0で勝利し勝ち点を37に伸ばした。試合後、決勝点を挙げたDF金珍洙は「勝てたことが嬉しいし、チームに貢献できたことも嬉しい」と笑顔を見せた。

 開始5分、あわやのピンチをつくっていた。低い位置で相手のマークをかわし、中盤にボールを預けようとしたところで、MF富田晋伍にボールを奪われ、右ポストを直撃するシュートを見舞われた。失点すれば試合が難しくなるのはわかっていたが、それでも「僕たちは勝つしかなかった」という韓国人DFは、積極的なプレーを続けた。

 それが実ったのが、前半17分だった。右サイドでボールを保持した新潟は、MFミシェウからオーバーラップしたMF三門雄大にパスが出る。三門が折り返したボールに金珍洙が詰めて、ゴールネットを揺らした。「点を取りたかったし、チームに貢献できるゴールで良かった」と、初ゴールを喜んだ。

 その後は仙台に押し込まれる時間帯も続いたが、容易にスペースを空けることはなかった。MF太田吉彰、DF菅井直樹と攻撃力のある選手たちと対峙しながらも、しっかりした対応を見せ、チャンスをつくらせなかった。

 苦しみながら勝ち点3をつかんだものの、17時半から開始される試合で大宮が引き分け以上、神戸が勝利した場合、新潟の降格は決まってしまう。厳しい状況にあることは変わりないが、金珍洙は「やることはやった。あとは祈るだけ」と、残留への想いを口にした。

「試合前も今日は勝利したいと結果が出ることを祈ったら、結果が出ました。あとは祈って、結果を待ちます」

 もちろん、他力本願になってはいけない。残留のためには、最終節にも勝つことが前提となるからだ。「最終節も自分が出場できれば、どんどん仕掛けて、やることをやるだけです。勝たないといけないから、この1週間、良い準備をしたい」。初ゴールの喜びに酔いしれる前に、『まだまだできることは、ある』と、金珍洙は前を向いた。

(取材・文 河合拓)

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