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最終節でドラマ!!新潟が17位から奇跡の逆転残留!!

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[12.1 J1第34節 新潟4-1札幌 東北電ス]

 J1第34節は1日、各地で全9試合を行い、前節終了時点で降格圏の17位に位置するアルビレックス新潟はホームですでにJ2降格の決まっている最下位コンサドーレ札幌と対戦し、4-1で快勝した。前半8分にDF坪内秀介のゴールで先制すると、同43分にはFWブルーノ・ロペスが追加点。後半8分に失点し、1点差に追い上げられたが、同26分にFWアラン・ミネイロ、同35分にロペスのゴールで突き放した。残留への最低条件である勝ち点3を手にすると、15位神戸、16位G大阪がそろって敗れたため、両チームを逆転。順位を2つ上げて残留圏となる15位浮上を果たし、最終節で奇跡の逆転残留を果たした。

 新潟はMFミシェウが出場停止のため、代わってFWアラン・ミネイロがロペスとの2トップで先発。ミネイロの抜けた右サイドハーフにはMF藤田征也が入り、4試合ぶりの先発となった。それ以外は前節の仙台戦(1-0)と同じメンバー。仙台戦で退席処分を受けた柳下正明監督はベンチ入り停止のため、栗原克志コーチがベンチで指揮を執った。
 札幌は出場停止明けのFW内村圭宏が1トップで2試合ぶりに先発。それ以外は前節の横浜FM戦(0-2)と同じ先発メンバーとなった。
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 新潟は勝って、神戸とG大阪が引き分け以下に終わることが残留の条件。まずは最低条件である自分たちの勝利を目指して立ち上がりから果敢に仕掛けた。前半7分、ミネイロがエリア外から振り向きざまにミドルシュート。DFに当たってCKを獲得すると、この流れから均衡を破った。

 ミネイロの左CKは一度はクリアされたが、セカンドボールを拾ってミネイロがもう一度ゴール前に上げる。これをロペスが競り合い、こぼれ球を坪内が右足でシュート。気持ちでねじ込み、先制のゴールネットを揺らした。今年8月に大宮から完全移籍で加入した坪内。過去には神戸、札幌、大分でJ2降格経験もある29歳の右SBが値千金の先制点を奪った。

 1点リードしたことで試合のペースを落ち着かせる新潟はじっくりと追加点を狙う。前半26分、ミネイロの左CKに坪内がヘディングで合わせるが、これはGKが好セーブ。同31分のミネイロの直接FKもGKの好守に阻まれた。同38分にはMF本間勲のスルーパスから藤田が右足で狙うが、またしてもGK高原寿康がビッグセーブ。それでも前半終了間際の43分、ミネイロの右CKをDF石川直樹がヘディングで落とすと、ゴール前でDFの前に体を入れたロペスが頭で押し込んだ。

 セットプレーを生かし、前半で2-0。ハーフタイムの時点で16位G大阪は磐田に0-1とリードを許し、15位神戸も広島と0-0の同点だった。このまま終われば、大逆転での残留が決まる。札幌は後半開始から2人を交代。MF岡本賢明とMF芳賀博信に代わってFW大島秀夫とFW榊翔太を投入し、システムも4-4-2に変更した。すると後半8分、榊のゴールで1-2と1点差に迫る。同10分には内村に代えてMF砂川誠を投入し、早くも交代カードを使い切った。

 札幌は後半16分にもカウンターから決定機をつくり、MF古田寛幸のスルーパスから榊がシュートを狙うが、わずかに枠を外れた。ヒヤリとさせられた新潟。札幌の反撃に押され、後半はなかなかチャンスをつくれずにいたが、同26分、ミネイロがPA外から豪快な右足ミドルシュートをゴール左隅に叩き込んだ。これで3-1。再び2点差にリードを広げ、勝利に大きく前進した。

 この時点で15位神戸は広島に0-1とリードを許し、16位G大阪は磐田と1-1の同点となっていた。自分たちはきっちりと勝ち点3を勝ち取り、他会場で神戸とG大阪が引き分け以下に終わることを祈る展開。後半33分には藤田に代えてFW鈴木武蔵を投入する。すると同35分、ミネイロのクロスからロペスがヘディングでダメ押しゴール。4-1と勝利を決定づけた。

 他会場ではG大阪が磐田に勝ち越しゴールを決められ、1-2とリードを許す展開。新潟のJ1残留が一気に近づいた。このまま試合を終わらせ、連勝でラスト2試合を締めくくった新潟に対し、神戸とG大阪はそろって敗戦。この結果、新潟が最終節で17位から15位に浮上。大逆転でのJ1残留を果たした。

(取材・文 西山紘平)

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