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“前田の呪い”止めるのは?開幕戦で対戦の名古屋は失点しても「ジンクス破る」

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 ライバルたちをJ2へ沈めてきた“前田の呪い”は今年も継続するのか。それともストップするチームが現れるのか。“前田の呪い”とは07年から続くジュビロ磐田FW前田遼一がシーズン初得点を決めたチームはすべてJ2に降格しているという“都市伝説”。07年の甲府をはじめ、08年の東京V、09年の千葉、10年の京都、11年の山形と続き、昨年の第3節で前田にゴールを許したG大阪もJ2に降格した。

 今年もJ序盤戦は09年、10年のJ1得点王の初ゴールが話題となりそうだが、開幕戦で対戦する名古屋グランパスも警戒する声が出てきていた。22日、2013Jリーグキックオフカンファレンスに出席した名古屋MF小川佳純は、J1・J2の計40選手がアナライザーで答える質問形式のトークセッションで「開幕戦の対戦クラブとは、開幕戦で当たりたくなかった」という質問に「はい」と答えると、自ら名乗り出て受けたインタビューに対して「(磐田には)前田選手がいるのでやりたくなかった」と説明し、会場を沸かせた。

 トークセッション後、小川は「(磐田との開幕戦を)注目して貰いたいという面もあって言いました」とニヤリ。実際、クラブ内ではそれほど話題にはなっていないというが「そのゴールに対して、ナーバスになっている訳ではないです。ただ、みんなの頭の中にはあると思う。もちろん、点を取られないことが一番ですけど、点を取られた時に動揺しないようにしたい。ウチがストイコビッチ監督になってからいくつもジンクスを破ってきているチームなので、もし逆に失点しても、ジンクスを破れば、また面白いと思う」と語り、例え前田にゴールを許しても問題ないことを強調した。

 名古屋はシーズンオフにFW永井謙佑とMF金崎夢生が相次いで海外移籍。ただ小川は「代わりに入ってきている選手とかもいる。けが人が出ない限りはウチの戦力は充実していると思う」と言い切る。クラブの目標は3年ぶりのリーグタイトル奪還だ。「ACLは残念ながら出場権を獲得することができなかったですれど、国内1本に絞れる。2010年に優勝した時もACLはなかったですから。ウチにとっては優勝するためにはスケジュール的にはこの上ないものだと思う」と自信を見せた。

 小川にとって、明治大の後輩に当たる磐田MF山田大記は「冗談で(小川)佳さんにも『前田さん取るっしょ』って言っていますけれど、こっち側だったり、前田さん自身は意識していないものだと思うので、こちらがそれを意識することはないです。とにかくチームの勝利が一番なので、みんなで勝ち取れるようにしたいと思います」と開幕戦へ向けて必勝宣言。小川も「名古屋のホームでやりますし、ウチとしては初戦をしっかり勝ってというのが一番ですね」と勝ち点3奪取を誓った。前田のゴールに最も注目が集まりそうな東海ダービーだが、V奪還を狙う両チームは、開幕ダッシュを果たしてチームを勢いづけることしか考えていない。

[写真]開幕戦で対戦する名古屋・小川(左)と磐田・山田ががっちり握手

(取材・文 吉田太郎)

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