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古巣相手に初ゴール、柏木「広島戦では今までで一番いい試合」

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[3.2 J1第1節 広島1-2浦和 Eスタ]

 古巣相手に決めた初ゴールが浦和レッズを6年ぶりの開幕戦勝利に導いた。前半37分にMF柏木陽介が先制点。開幕戦で5年連続の零封負けを喫していたチームにとって、07年3月3日の横浜FC戦(2-1)以来、6シーズンぶりの開幕戦でのゴールになった。

 柏木から左サイドでパスを受けたMF原口元気がドリブルで中に仕掛けると、柏木は後ろを回り込むようにゴール前へ一気に走り込む。原口はシュートを狙ったが、ボールは柏木の目の前に。利き足とは逆の右足を振り抜いたシュートが鮮やかにゴールネットを揺らした。

「(原口)元気だったから、あいつなら中に仕掛けるのが分かっていた。走ることで(相手DFとの)駆け引きに勝った。自分の中でもいいゴール」。そう胸を張る柏木はシュートの瞬間について「右足だったからドキドキした。完全にフリーだったし、そういうのが一番嫌」と苦笑い。それでも「逆に右でよかったかも。左だったら狙いすぎて入らなかったかもしれない」と、力むことなくミートだけを意識したことがゴールにつながった。

 09年まで広島に所属していた柏木にとって、浦和移籍後4シーズン目にして古巣から奪った初ゴールになった。「広島相手だと、いつもガツガツ来られていた。マキ(槙野)とかモリ(森脇)とかが浦和に来たことで、その分、プレッシャーが減ったのか、他にマークする選手が増えて、俺のマークが弱くなってきたのはラッキー」。そう指摘する一方、「俺らの回しがよかったから(スペースが)空いたというのもある」と力を込めた。

 鹿島から加入したFW興梠慎三を頂点に柏木と原口がシャドーに入る前線の三角形。0-3の完敗を喫した2月26日のACL広州恒大戦は興梠が負傷欠場したため、原口が1トップを務め、柏木とMFマルシオ・リシャルデスが後方に位置する昨季と同じ形だった。「(興梠)慎三が入ったことで全然変わった」と言う柏木は「俺も(原口)元気も、1タッチではたくところとトラップするところがハッキリしていたし、慎三にも(ボールが)おさまった。3人の関係がよかったから、こういう結果になった」と力説する。

 新戦力の興梠を加えた“和製トライアングル”への手応えを口にする柏木。「3人の関係性で崩せるチームになれば、相手も抑えられない。試合を見ていた人も『思っていた以上に浦和は強いな』と感じたんじゃないかなと思う。対広島戦では、今までで一番いい試合ができた」。前年王者を敵地で下しての白星発進。6年ぶりに開幕戦を勝利で飾った浦和が、7年ぶりの王座奪還へ最高のスタートを切った。

(取材・文 西山紘平)

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