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愛媛から加入の内田同点FK!清水が0-2から引き分けに持ち込む

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[3.2 J1第1節 大宮2-2清水 NACK]

 2日、2013年のJ1が開幕し、NACK5スタジアム大宮(埼玉)で行われた大宮アルディージャ清水エスパルス戦は、大宮がオウンゴールとMF青木拓矢のゴールによって2点を先取したが、清水が18歳FW石毛秀樹のJ1初ゴールと愛媛から加入したMF内田健太の同点FKによって追いつき、2-2で引き分けた。

 開幕戦で実現したオレンジダービーは勝ち点1を分け合った。昨シーズン終盤、11試合連続不敗でJ1残留を果たした大宮は4-4-2システムでGKは北野貴之。4バックは右から渡部大輔菊地光将、東京Vから加入した高橋祥平、そして下平匠の並び。中盤は青木と金澤慎のダブルボランチで右MFが渡邉大剛、左MFにはチョ・ヨンチョルが入った。2トップにはノヴァコヴィッチズラタンが配置された。

 一方、青いアウェーユニフォームで登場した清水は4-3-3システムを組んだ。新加入組では、G大阪時代の08年シーズン以来のJリーグでのプレーとなるFWバレーが3トップの中央として先発。札幌から復帰したDF高木純平が右SBを務め、湘南から復帰したMFイ・ミンスが左MFに配置された。注目の18歳、石毛は右FW。GKは林彰洋で4バックは右から高木、平岡康裕カルフィン・ヨン・ア・ピン吉田豊。アンカーの位置に杉山浩太が入り、右MFが村松大輔、左MFがイ・ミンス。3トップは右から石毛、バレー、高木俊幸の構成となった。

 2分に石毛の右クロスがバレーに通り、清水がチャンスを迎えるが、その後主導権を握っていたのは大宮だった。中盤の両脇にスペースができる清水に対して渡邉、チョの両SHにいい形でボールが入ってくる。10分には右タッチライン際で渡邉が食いついてきたDFを外してパスをつなぐと、前方のスペースへ飛び出したチョが決定的な右クロス。清水はノヴァコヴィッチの目前で高木純がクリアしたものの、冷や汗をかかされた。

 大宮の連動した守備の前に上手くサイドへ追い込まれてボールを動かすことのできない清水は、ショートカウンターと、ヨン・ア・ピンからの縦パス中心の攻撃となった。対してダイレクトのパス交換からチャンスをつくる大宮は23分、バレーのミスパスをズラタンが敵陣中央で拾うと、最後はノヴァコヴィッチが決定的なシュート。林が弾いたこぼれ球をズラタンが狙うが、再び林にセーブされて得点できなかった。

 大宮はさらに30分に左CKから菊地が放ったヘディングシュートがゴールを捉えたが、清水は右ポスト横に位置していた高木純が再びスーパークリア。逆に清水は33分、高木俊の左クロスにDFを振りきって走り込んだ石毛が頭から飛び込む。決定的な形だったが、至近距離から放たれた一撃はGK北野がストップ。前半は0-0で折り返した。

 それでも後半、試合は激しく動く。先制したのは大宮だった。10分、大宮は右クロスが逆サイドへ流れるが、フリーで拾ったチョがDFをかわしてクロスを放り込む。青木と競った清水DFのオウンゴールによってホームチームが先制した。清水は直後に石毛が右中間から放った右足ミドルがクロスバーを直撃。すると、20分に大宮が突き放す。自陣左サイドでのFKから素早くボールを動かすと、チョがオープンスペースを突いたノヴァコヴィッチへスルーパス。ノヴァコヴィッチがひとりかわして折り返すと、ペナルティアークへ走りこんだ青木が右足シュートをゴール左隅へ流し込んだ。

 苦しい展開となった清水は24分に吉田と村松に代えて筑波大から新加入のFW瀬沼優司と内田を同時投入。前線をバレーと瀬沼の2トップへスイッチすると、この交代策が当たる。29分、平岡のフィードをバレーがそらすと、抜けだした瀬沼がシュート。これはGKに阻まれたものの、こぼれ球に反応した石毛が右足でゴールへねじ込んだ

 1点差とされた大宮はFW長谷川悠と早稲田大から加入したFW富山貴光を相次いで投入。だが息を吹き返した清水の勢いは止まらない。39分、カウンターからドリブルで仕掛けた石毛が右サイドの高い位置でFKを獲得。これをキッカーの内田が得意の左足でゴール方向へ入れると、誰も触ることができないまま抜けたボールがそのままゴール左へ吸い込まれた。
 
 2-2。2点のアドバンテージを追いつかれた大宮は43分に最後の交代カードとしてMFカルリーニョスを投入。一気に勝ち越しを狙った清水は試合終了間際に右CK、縦パスから瀬沼が立て続けに決定機を迎えるが、決め切ることができない。アディショナルタイムにFW伊藤翔もピッチへ送り出した清水だったが、勝ち越すことはできず。それでも2点差を追いつき、アウェーで貴重な勝ち点1を獲得している。

(取材・文 吉田太郎)

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