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クレオの2ゴールなどで柏が川崎Fの開幕不敗記録に終止符を打つ

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[3.3 J1第1節 柏3-1川崎F 柏]

 Jリーグは3日、開幕節の2日目を行い、昨季6位の柏レイソルは昨季8位の川崎フロンターレと対戦した。前半5分にFWクレオの公式戦2試合連続ゴールで先制した柏は、後半18分にも速攻からクレオが追加点を記録。さらにMF工藤壮人のゴールも飛び出した。意地を見せたい川崎FもFWレナトがCKを直接ゴールに決めて1点を返したが、反撃もそこまで。2005年にJ1に昇格して以来、8年に渡って開幕戦の黒星がなかった川崎Fの記録を柏が止めている。

 柏は2月27日に行われたACLの貴州人和(1-0)戦と同じスターティングメンバーで試合に臨んでいる。今季は3バックも試していたが、この試合では4バックの布陣を採用した。新外国人のDFキム・チャンス、FWクレオはJリーグデビュー戦となった。また、新潟から加入したDF鈴木大輔も先発に名を連ねている。一方の川崎Fは、DF中澤聡太、MF森谷賢太郎、FW大久保嘉人という新加入3選手をスタメンに起用した。日本代表MF中村憲剛は体調不良のため、ベンチからも外れている。[スタメン&布陣はコチラ]

 開始5分、いきなり試合は動く。すでにこの試合が公式戦3試合目となる柏は、中盤でボールを奪うと、MFレアンドロ・ドミンゲスがドリブル。前線のクレオにボールを託すと、クレオは寄せてきたDF中澤聡太を軽やかにかわし、GK西部洋平の股間を抜くシュートを決めた。

 出鼻をくじかれた川崎Fも、FW大久保嘉人がやや距離のある位置で前を向き、積極的にシュートを放ったが、ボールはクロスバーを越えて行った。その後もボールを保持するが、なかなか高い位置まではボールを運べない。逆に柏はボールを奪ってから手数をかけ過ぎない速攻で、川崎Fゴールに迫っていった。前半20分には川崎FのGK西部がヘディングでクリアーしたボールを拾ったMF工藤壮人が、直接ゴールを狙ったがシュートは左に逸れている。

 前半25分にはクレオのバックパスがミスとなり、大久保に渡ってしまう。大久保がドリブルからシュートに持ち込んだが、ボールはDFに当たって枠を外れて行った。同27分にも川崎Fは右サイドから柏のゴールに迫ったが、PA内でボールを受けたレナトはシュートに持ち込めなかった。その1分後にも大久保が遠目からシュートしたが、ボールは左に外れている。

 38分には柏のMF大谷秀和が左のスペースへパス。レアンドロがボールを受けると、MFジョルジ・ワグネルが中央に走ってボールを受ける。そこからシュートしたが、ボールはGK西部に防がれた。このままホームの柏が1点をリードして前半を折り返した。

 後半の開始から川崎Fの風間八宏監督は森谷に代えてFW矢島卓郎をピッチに送り出す。後半9分には川崎Fが速攻からチャンスをつくる。左サイドを攻め上がったレナトから右ウイングに入った小林にパスが出る。小林はゴール前に低いボールを折り返したが、矢島に渡る直前で鈴木にクリアーされた。その1分後には柏が好機をつくる。PA外、ゴール正面でボールを持ったクレオが左のレアンドロにパス。レアンドロが浮き球をPA内に入れると、フリーで走り込んだクレオがヘッドで合わせた。決定的な場面だったが、シュートは左ポストに嫌われている。

 後半18分には、レナトのパスをカットした柏が速攻に出る。工藤が最終ラインの裏にボールを送ると、クレオがGK西部をかわしてボールをコントロール。中澤も戻って対応したが、クレオともつれるようにして倒れた。しかし、西村雄一主審はファウルを認めず。ボールは無人のゴールに転がり込んだため、クレオの追加点となった。その後も柏は速攻からチャンスをつくる。後半22分にはレアンドロが手薄になった川崎F陣内に走り込み、シュートしたがボールにミートできなかった。

 後半26分に川崎FはMF風間宏希に代えて、MF山本真希を起用した。しかし、柏の勢いは止まらない。中央をドリブルしたDF近藤直也からパスを受けた工藤がGK西部との1対1を制し、ゴールを揺らした。

 流れを変えたい川崎Fは、同28分にも小林を下げて、FWパトリックを起用し、交代カードを使い切った。後半32分には大久保がPA内でシュートを打ったが、DF鈴木にブロックされる。それでも同33分にはレナトがCKを直接決めて、1点を返した。その後も川崎Fは柏のゴールに迫り、後半ロスタイムには大久保の折り返しから矢島が決定的なシュートを放ったが、GK菅野孝憲のファインセーブに遭い、追加点を挙げることはできなかった。

 このまま試合は3-1で柏の勝利で終了。柏はリーグ優勝した2011年以来、2年ぶりとなる開幕戦白星発進を決めている。

(取材・文 河合拓)

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