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J初ゴールの横浜FCルーキーDF野上「ある程度できると思った」

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[3.10 J2第2節 横浜FC2-2徳島 ニッパ球]

 徳島ヴォルティス小林伸二監督は、試合後の記者会見で開口一番に入り方を悔やんだ。「思いっきり固かった。その中で失点をしてしまった」。前半7分、横浜FCは相手の隙を逃すことなく、セットプレーからゴールを挙げた。得点を決めたのは、DF野上結貴だった。開幕戦の岐阜戦(2-0)から、スタメンに抜擢されているルーキーは、得点という形でもチームに貢献した。

「ジャンさん(大久保哲哉)から折り返しが来たので。僕はブロックの役に入っていたのですが、折り返しを狙うということだったので」と、先制ゴールを振り返る。この場面、左サイドからMF松下裕樹がFKを蹴った際、野上は中央で相手のDFをブロックした。それもあって、ファーに流れたFW大久保哲哉はフリーで中央にボールを折り返すことができた。これを野上がゴールに突き刺したのだ。

 試合前に受けたアドバイスもあり、自信を持ってホーム開幕戦に臨めていたという。「試合前にシュナさん(シュナイダー潤之介)に『今日はおまえが点を取る気がする』って言われていたんです。だから、点を取れるぞと思って試合に臨めました」。

 立ち上がり、リズムの悪かった徳島も失点後は落ち着いた。前線のFW高崎寛之、FW津田知宏にボールを集める攻撃について、野上は「手こずりました。でも、ポイントをつくられるのがイヤだったので、行けるところは厳しく行こうと思っていました」と話す。37分には高崎に起点をつくられて、柴崎のゴールにつなげられた。「前半はラインが下がり過ぎていたので、もう少し細かくラインを上げながら対応しようと、ハーフタイムに(ペ・)スンジンと確認しました。後半はある程度、高崎選手と駆け引きしながらできたと思います」と、修正に好感触をつかめたようだ。

 山口素弘監督も、その潜在能力の高さを認める逸材は、開幕からの2試合を先発フル出場した中で、「もうちょっと経験は必要かなと感じました。でも、ある程度は、(Jリーグでも)できるなという感覚は持ちました」と、課題と自信を口にした。「ポゼッションは得意なところ」と、自身の長所を口にするが、メディア対応には慣れていないようだった。「大丈夫ですか? うまく書いておいてください」と、初々しくお辞儀をしてから、バスに乗り込んだ。Jの舞台で急速に成長を見せる21歳、この日のような活躍が続けば、ミックスゾーンでのトークにも磨きがかかっていくはずだ。

(取材・文 河合拓)

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