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ドローを悔しがる鹿島MF野沢「欲を言えば勝ちたかった」

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[5.3 J1第9節 横浜FM1-1鹿島 日産ス]

 後半28分、左サイドで得たFKをMF小笠原満男がゴール前に入れると、DFがクリアーしたボールはPA内にいた鹿島アントラーズのMF野沢拓也の下に落ちた。右足を振り抜いた野沢のシュートは絶妙なコースに決まり、鹿島が先制した。

 DF岩政大樹が「上位同士ということで、互いにけん制して、リスクを冒さない試合になった」と振り返るように、2位と4位という上位対決は緊迫した一戦となった。野沢も「前半は相手もうちらも、お互いガチガチだったように感じました」と、振り返る。その中で挙げた1点は大きな意味を持つはずだった。横浜FMがリスクをかけて攻めなければいけない状況になったからだ。その中で後半34分に鹿島はMF本山雅志を投入し、その後も速攻からチャンスをつくった。

 だが、2点目を挙げられないまま迎えた後半ロスタイム5分、PA内で浮き球を遠くへクリアーできなかったことから、同点ゴールを決められてしまう。ヘディングでのクリアーを試みた岩政が「あの状況で、できるベストの選択はしたと思う」と言えば、野沢も「後半に試合が動いてから、より多くのチャンスをつくっていました。その後に、なかなか点が取れなかったことが課題」と、勝ち越しゴールを挙げられなかったことを反省した。

 勝ち切ることはできなかったが、4月を公式戦無敗(6勝1分)で終えたチームは、連続無敗試合数を7に伸ばしている。だからこそ、下を向く必要はないと野沢は言う。「上位を引きずるには勝ち点3がどうしても欲しい試合でしたし、勝てば(2位の横浜FMに)近づける試合だった。欲を言えば勝ちたかったですが、最低条件であるアウェーでの勝ち点1を持ち帰れたことは良かった。4月を負けなしで来たし、5月の連戦で、また上位に行くチャンスもある。本当に強いチームは、連戦でも勝ち点を重ねられるチームなので、それに近づけているんじゃないかなと思います」と、ドローを悔しがりつつも、チームが前進していることを強調した。

(取材・文 河合拓)

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