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2ゴールを振り返るFW大久保「レナト、ゴメン!」「ドキドキした」

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[5.25 J1第13節 川崎F2-1新潟 等々力]

 FW大久保嘉人が止まらない。今季、川崎Fに加入したアタッカーは、25日のアルビレックス新潟戦で2ゴールを挙げて、リーグ戦11試合で早くも8ゴールを叩き出した。J1通算100ゴールまで、あと3ゴールに迫ったストライカーは、この日の得点場面では「ドキドキしていた」と明かしている。

 後半9分の先制点の場面、左サイドからのスローインをMF中村憲剛が受けて、ゴール前に浮き球を入れる。これに反応したMFレナトが、DFと競り合いながらゴール前に蹴ったボールは、そのままゴールに向かっていた。これを詰めていた大久保が押し込んだのだが、本能的なものだったという。「あのとき、自分がオフサイドポジションにいないという確証はなかったので『オフサイドだったら、レナト、ごめん!!』と思いながらシュートしていましたね」と、苦笑した。

 さらに、冷静に決めたようにも見えた後半25分のゴールシーンでも、「ドキドキ」していたという。スルーパスを出した中村が「完璧な一本」と自画自賛したが、大久保も「完璧なパスでしたね」と振り返る。

「良い感じで憲剛さんにボールが入ったから、とりあえずDFを振り切ることだけを考えて、それからどこに出してくるかなと思ったら、もう足下にボールが見えたので。さすがだなと。『はい、決めてください』というボールだったので、逆にドキドキしました」

 ボールを受けてからも、心配していたという。「DFがデカかったので、足が伸びるし、突つかれるんじゃないかなという心配がありました。でも、こなかったので切り返したら、GKも飛んでくれた。シュートを打つときは『良かった』という感じでした」。

 大久保の2点で勝利した川崎Fは、公式戦7戦無敗で中断期間に突入する。この日の勝利が、いかに大事だったかを大久保は強調した。「負けていたら、明日のファン感(ファン感謝デー)がどうなっていたか、わからなかったからね。負けていたら『ファン感やってる場合じゃないだろう』ってなったかもしれない。でも、こういう劇的な勝ち方で、一番良いパターンで終わったので良かったです」。

 良い流れのときに中断期間に入ってしまった川崎Fだが、ファン感謝デーを迎えるには、最高のタイミングといえそうだ。

(取材・文 河合拓)

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