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古巣との一戦でリーグ初スタメンの浦和MF関口「他の人の分も走ろうと思った」

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[5.29 J1第9節 浦和1-1仙台 埼玉]

 運命的なものを感じるスタメンだった。今シーズン、ベガルタ仙台から浦和レッズに加入したMF関口訓充は、ACLでは2度スタメン出場していたが、リーグ戦での先発出場はなかった。しかし、前節の柏戦でMF平川忠亮が負傷したこともあり、9年間在籍した古巣との一戦で、スタメンに名を連ねることになったのだ。リーグ戦の先発は、仙台に在籍していた昨年8月11日の札幌戦以来、約9か月ぶりのこと。「リーグ戦初出場の相手が(田中)達也さんのいる新潟で、今回は初先発が仙台ということで、不思議な縁を感じましたが、その中でも楽しんでやろうと思っていました」と、関口は試合前の想いを振り返る。

 右WBでスタメン出場した関口は、前半30分にMF原口元気から高い位置でパスを受けてクロスに持ち込むなど、持ち味を見せた。後半10分にMFマルシオ・リシャルデスが起用されてからは、左WBに入ってプレー。同20分には左サイドからクロス気味のシュートで仙台ゴールを狙うなど、存在感を示して、試合終了までプレーした。

「ある程度、持ち味を出すことはできたと思いますが、久しぶりの試合ということもあって、最後は足がつってしまいました。まだまだ運動不足」と苦笑する。それでも関口を除く10選手が中2日という状況で迎えた試合で、「自分が入って他の選手より運動量が少なかったら、チームの役に立たない。他の人の分まで自分は走ろうと思っていました」という背番号11は、チームトップの11.93kmを走り抜いた。

 久しぶりにスタメンとしてピッチに立ち、あらためて、先発へのこだわりも強くなった。「サッカーをやっている以上、スタメンで出場したいと思いますし、今日もやっていて楽しかったのでね。スタメンのポジションを取れるように、これからも努力してやっていきたいと思います」。

 古巣との試合が引き分けに終わったことについては「勝てなくて残念。もう少しうまくボールを回して、時間を使えればよかった」と反省する。それでも、勝ち点1を上積みした浦和は、2位で中断期間に入ることとなった。だが、この順位も大きな意味は持たないと、関口は強調する。「首位に立っていようが、2位にいようが、シーズン最後の順位が一番大事だと思う。シーズン途中の順位は気にせずに、シーズンが終わったときに一番上に立っていたい」。虎視眈々とレギュラーの座を狙う関口が、中断期間にチーム内のポジション争いを激化できれば、13試合を終えて8勝3分2敗と好スタートを切ったチームに、さらなる推進力が生まれるはずだ。

(取材・文 河合拓)

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