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ロスタイムの劇的FKで広島が得意のアウェーF東京戦をモノにする

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[7.6 J1第14節 F東京 0-1 広島 味スタ]

 コンフェデレーションズカップにより、約1か月中断していたJ1は6日に再開した。FC東京はホームでサンフレッチェ広島と対戦した。再開初戦ということで、互いに慎重になったか。動きの少ない試合は、後半ロスタイムまでスコアレスで推移する。迎えたロスタイム2分、広島はFKを得ると途中出場したMFパク・ヒョンジンが左足でシュート。これが直接ゴールに決まり、広島が先制する。F東京も慌ててFW平山相太を投入しようとしたが、その前に試合は終了。リーグ戦では2002年以降、味の素スタジアムでF東京に負けていない広島が1-0でアウェーゲームをモノにしている。

 F東京はコンフェデレーションズカップでチームを離れていたMF高橋秀人をベンチに置き、DF登録のチャン・ヒョンスをボランチで起用。MF三田啓貴が今季公式戦3度目のスタメンに名を連ねている。また、FW渡邉千真が負傷欠場の1トップには、FWルーカスが起用されている。対する広島は6月30日のナビスコ杯準々決勝第2戦の柏戦と同じメンバーで試合に臨んだ。
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 両チームとも慎重な試合運びを見せたこともあり、前半は膠着した。立ち上がり9分にはチャン・ヒョンスの軽率なミスから広島がチャンスを得る。ここからMF高萩洋次郎に縦パスが通り、PA内までボールを運ぶ。さらに走り込んできた佐藤寿人に折り返しのパスを出すが、これがズレてフィニッシュにはつながらない。同29分にはF東京もPA内への縦パスをミキッチが処理ミスし、決定機を得る。こぼれ球をDF太田宏介が右足でシュートを放ったが、GK西川周作に防がれている。

 前半の終了間際には、三田が好機に絡む。まずは前半39分にDF森重真人からの縦パスを受けて、ルーカスとのワンツーからシュート。これは左に外れる。前半ロスタイムにも三田は、中盤で相手からボールを奪うと守備ブロックが整う前にドリブルで仕掛けた。DF水本裕貴のファウルを誘い、FKを得たが、シュートは壁に当たっている。このまま前半はスコアレスで折り返した。

 両チームの指揮官はハーフタイムに、切り替えを早くすることを求めた。そして迎えた後半の立ち上がり、F東京がボールを保持する。しかし、アタッキングサードでのプレーに精度を欠き、シュートまで持ち込めない。ようやく8分に左サイドから太田の折り返しをにニアサイドでルーカスが合わせたが、ゴール左に逸れて行った。

 広島陣内に両チームのフィールドプレーヤー全20人が入り、F東京がボールを回す展開が続く。後半14分には広島も右サイドをミキッチが突破し、PA内の高萩にパス。高萩はボールをコントロールしてDFを外してシュートを打ったが、DFに当ててしまう。その直後にはF東京もMF米本拓司のボール奪取からチャンスをつくる。長谷川にボールを当てて、右の三田にパス。三田は縦に仕掛けて右足でシュートしたが、これは左ポストに嫌われて、得点機を生かせない。

 後半19分、また三田がチャンスをつくる。チャン・ヒョンスからのボールを受けると、ヒールでルーカスに当てる。1トップを務めるブラジル人FWのポストプレーからリターンパスを受けた三田は、左足でシュートを放ったが、これは枠の上に外れて行った。

 広島も21分には石原の横パスを受けたMF森崎和幸がミドルシュートでゴールを狙ったが、GK権田修一が好セーブ。直後にも青山敏弘が低い弾道のシュートを枠に飛ばしたが、これも権田が落ち着いて処理をした。流れをつかんだ広島は同29分にも右サイドからミキッチが折り返したボールを佐藤がヘッドで狙ったが、シュートは枠の右にわずかに外れている。

 残り5分となり、両チームのベンチが動く。広島は2枚目の交代カードで佐藤を下げて、19歳のFW野津田岳人をピッチに送り出す。対する東京は長谷川アーリアジャスールに代えて、MFネマニャ・ヴチチェビッチを起用した。その直後、広島は右サイドからミキッチが仕掛けて、ゴール前にクロスを入れる。中央にはMF石原直樹がいたが、合わせることができなかった。後半ロスタイムにはF東京も東、米本が立て続けにシュートを打ったが、得点を決められない。

 このまま試合終了かと思われた後半ロスタイム。広島はPAすぐ外でFKを得ると、パク・ヒョンジンが直接FKをゴールに沈めた。これが決勝点となり、広島が1-0で勝利。敵地でのリーグ再開を白星で飾り、リーグ戦2試合ぶりに勝利を挙げた。一方のF東京は中断前の鹿島戦に続き、リーグ戦2連敗となっている。

(取材・文 河合拓)

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