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大宮に続き浦和も撃破の横浜FMが3位に浮上

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[7.17 J1第17節 浦和2-3横浜FM 埼玉]

 J1は17日に第17節を各地で行い、浦和レッズ横浜F・マリノスと対戦した。前半10分、マルキーニョスに先制点を許した浦和だが、同17分にはボランチで起用された那須大亮のシュートで同点に追い付く。さらに前半28分には東アジア杯を戦う日本代表に選出されたDF槙野智章のゴールも飛び出し、浦和が逆転に成功した。しかし、横浜FMも後半18分に齋藤学のゴールで試合を振り出しに戻すと、さらに37分にはDF栗原勇蔵のヘッドも決まり、この試合2度目のリードを奪う。これが決勝点となり、横浜FMが前節の大宮戦に続き、上位陣との直接対決に連勝。一方の浦和は手痛い連敗で中断期間を迎えることになった。

 浦和は4日前の川崎F戦(0-4)から先発を2人変更した。日本代表に選出されたDF森脇良太をベンチに置き、DF坪井慶介が今季初めてスタメンに入った。また、DF永田充も4節の新潟戦(2-0)以来の先発起用となり、中盤の底に那須大亮が入っている。対する横浜FMは、前節の大宮戦(2-1)と同じメンバーで試合に臨んでいる。
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 開始早々、横浜FMは自陣の低い位置からMF中村俊輔が鋭いフィードを前線に送る。これを齋藤が最終ラインの裏で受けたが、GK加藤順大が判断の良い飛び出しでシュートを打たせない。その後も横浜FMは高い位置からプレスを掛けて、浦和にボールを回させない。一方的にボールを保持する中、前半10分には中央の齋藤が右サイドに展開。右からMF兵藤慎剛が折り返したボールをマルキーニョスにヘッドで合わされて、1点をリードした。

 浦和も反撃を見せる。前半13分にドリブルでボールを運んだMF原口元気が右に展開。ゴール前に低くて速いボールを入れると、MF柏木陽介が飛び込んだが、シュートは右に逸れていった。同17分には浦和も素晴らしいゴールを決める。横浜FMのCKをクリアーしたボールを中盤で競り勝った興梠がキープし、ゴール前にロングボールを入れる。これをやや左で受けた原口が、絶妙な落としを見せる。原口に対応した横浜FMのDF中澤佑二と兵藤が、意表を突くダイレクトパスで置き去りになると、攻め上がった那須がダイレクトでゴールに突き刺し、試合を振り出しに戻した。

 その後、やや横浜FMが優勢に試合を進めた中で、浦和も速攻から原口がシュートに持ち込む。これが相手に当たってCKを得ると、柏木がゴール前に入れたボールをMF阿部勇樹がヘッドで合わせる。これはGK榎本哲也に防がれたが、こぼれ球を槙野が押し込み、浦和が逆転した。横浜FMも37分にCKの流れから中澤がヘッドでゴールを狙ったが、シュートはわずかに左へ逸れている。同40分には原口の縦パスをカットした栗原が前線にボールを持って運び、PA外からシュートを打ったがGK加藤に正面で抑えられた。

 浦和も直後の前半41分、原口がドリブルから左に流れて左足でシュート。これがDFに当たって高く上がると、落下地点で興梠がヘッド。落としを受けた柏木がダイレクトで合わせたが、シュートは大きく枠を越えて行った。このまま浦和が1点をリードして前半を折り返す。

 互いにボール回しが落ち着かず、速攻の打ち合いのような展開で始まった後半、浦和は那須、阿部らも後方から攻撃に加わり積極的にフィニッシュを放つ。後半13分には自陣深い位置でボールを回収した槙野が興梠にパス。興梠が前線にボールを運びシュートしたが、枠を捉えることはできなかった。

 横浜FMも後半18分に波状攻撃を見せると、相手のクリアーボールを右サイドで拾ったDF小林祐三のクロスを齋藤が相手に体をぶつけてからトラップ。これでマークを外すと、右足を振り抜き、同点ゴールをネットに沈めた。

 後半22分、浦和は坪井と永田をベンチに下げ、MFマルシオ・リシャルデスとDF森脇良太を同時にピッチへ送り出す。那須が最終ラインの中央に入り、柏木がボランチに下がった。後半37分には浦和が自陣からの速攻に出る。マルシオ・リシャルデスの縦パスを原口が柏木につなぐ。柏木が長い距離をドリブルし、左前方の興梠にパス。興梠は走り込んだマルシオに短くパスを出すが、これはDFにも読まれて通らない。しかし、詰めていた柏木がPA内からシュートを打ったが、GK榎本に抑えられた。

 浦和は後半31分に交代カードを使い切る。梅崎に代えて、MF宇賀神友弥を起用する。横浜FMも同35分にMF中町公祐を下げて、FW藤田祥史を起用した。直後のCKだった。中村がゴール前ファーサイドに送ったボールを栗原が槙野に競り勝ち、ヘッドでゴールに決めて勝ち越す。同44分にも槙野がコントロールミスしたボールを奪った横浜FMは、ショートカウンターに出る。最後はマルキーニョスがPA内でシュートしたが、ボールは右ポストを叩き、外れて行った。

 残り1分を切り、横浜FMはマルキーニョスを下げて、MF熊谷アンドリューを投入し、逃げ切り態勢に入る。ロスタイムにも中村を下げて、MF佐藤優平を起用した横浜FMが、このまま逃げ切り、浦和を抜き3位に浮上している。

(取材・文 河合拓)

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