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興梠の2ゴールなどで浦和が広島に10試合ぶりの黒星付ける

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[8.3 J1第19節 浦和3-1広島 埼玉]

 Jリーグは3日に第19節を行い、浦和レッズはホームに5連勝中9試合無敗の首位サンフレッチェ広島を迎えた。前半4分にFW興梠慎三の今季5点目となるゴールで先制した浦和は、同27分にもMF原口元気が追加点を決めてリードを広げた。さらに後半10分にも興梠がこの日2点目のゴールを決めた浦和は、後半ロスタイムにCKからDF水本裕貴に1点を返されたが、このまま3-1で逃げ切り、2連勝。広島との勝ち点差を2に縮めている。

 浦和はMF鈴木啓太が4節ぶりにスタメンに復帰。また、MF原口元気がスタメンに復帰し、前節の磐田戦(2-1)で負傷したMF梅崎司がベンチ外となっている。一方、5連勝中の広島は前節の大宮戦(3-1)と同じメンバーで試合に臨んだ。
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 試合は早い時間帯に動く。前半4分、浦和は左サイドでFKを得ると、MF柏木陽介がゴール前にボールを放り込む。PA内のやや距離のある位置で興梠がヘディングシュートを放つと、これがゴール左隅に決まり、浦和が1点を先制した。

 互いがコンパクトな陣形を保つ中で、浦和は興梠や3列目からMF鈴木啓太が飛び出して、好機をつくろうとする。対する広島は浦和の早い帰陣の前に、なかなか攻撃の形をつくれない。逆にボールを持たれたときも、1点ビハインドの広島は、無理にボールを奪いに行くことはせず、試合はやや停滞する。フリーでボールを持った浦和の鈴木が足技を見せて、広島守備陣を引き出そうとする場面もあった。

 前半27分、浦和はロングカウンターを見せる。GK加藤順大のキックを興梠がポストプレーし、原口が受ける。タメをつくった原口は、右サイドの柏木にパス。柏木が折り返したボールをフリーになっていた興梠がシュート。これはDF水本裕貴にブロックされたが、跳ね返りを詰めていた原口が押し込み、リードを2点に広げた。

 2点を失った広島も、ようやく好機をつくる。左サイドで水本からの縦パスがMF山岸智に入る。縦へ仕掛けた山岸がライン際で折り返したボールを、ゴール前でフリーになったMF高萩洋次郎が受けてシュートした。しかし、これはGK加藤にキャッチされる。このプレーで山岸が負傷し、MF清水航平との交代を余儀なくされた。

 リトリートした浦和をなかなか崩せない広島は、両サイドから打開しようとするが、人数を掛けて守る浦和の守備を前にノッキングを起こし、決定機をつくれない。このまま浦和が2点をリードして前半を折り返した。

 後半に入ると、広島は高い位置までプレッシングを掛けに行くようになり、試合が動き出す。後半6分には左サイドでボールを奪うと、細かいパスをつないで右に展開。右サイドからMFミキッチが上げたクロスを、PA内で高萩がボレーで捉えたが、シュートは右に逸れて行った。

 押し込まれていた浦和だが、後半10分に右サイドを平川が突破。GKとDFの間にクロスを入れると、興梠が飛び込み左足で合わせてゴールネットを揺らした。浦和は16分にもPA内で原口がDFとの1対1になり、シュートを放ったがGK西川周作に阻まれている。同18分に浦和は鈴木を下げて、MF山田暢久を投入した。

 後半22分には広島も、右サイドからMF森崎和幸がクロスを入れると、PA内でFW佐藤寿人がヘッドで合わせた。しかし、GK加藤の好守にはばまれる。広島は34分に千葉を下げて、DFファン・ソッコを右CBに起用。塩谷を中央にスライドさせた。浦和も興梠を下げて、FW阪野豊史をピッチに送り出した。

 その阪野に決定機が来たのは、後半28分だった。原口とのワンツーからPA内でフリーになる。中央にはMF阿部勇樹もフリーで走り込んでいたが、阪野はシュートを選択する。決定的な場面だったが、これはGK西川にブロックされ、今季初ゴールは挙げられない。それでも阪野は前線を広く動いてロングボールを引き出し、前線に基準点をつくった。

 後半37分にはメインスタンドの照明とオーロラビジョンの電気が消えるアクシデントが起きたが、試合は続行された。同40分に浦和は原口を下げて、MFマルシオ・リシャルデスを最後の交代枠で起用する。終盤まで広島の猛攻に耐えていた浦和だが、ロスタイムにCKから水本にゴールを許し、1点を返された。それでも、アウェーでの開幕戦(2-1)に続き、ホームゲームも3-1で制した浦和が、2007年以来となる広島戦のダブルを達成した。

(取材・文 河合拓)

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