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前田2発などで磐田が10戦ぶり白星、アウェーでは1年ぶり勝利

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[9.13 J1第25節 柏1-3磐田 柏]

 J1は13日、第25節の1試合を行い、ジュビロ磐田がアウェーで柏レイソルを3-1で下し、10試合ぶりの白星を挙げた。磐田は前半5分、DF菅沼駿哉のゴールで先制すると、同7分にもFW前田遼一が追加点。柏も後半11分に1点を返したが、同18分に前田がこの日2得点目を決めて突き放した。磐田はアウェーで今季初勝利。柏はリーグ戦2連敗となった。

 柏は日本代表FW工藤壮人と韓国代表DFキム・チャンスが代表帰りで先発に復帰。出場停止のMF大谷秀和に代わってMF茨田陽生が先発し、それ以外は7日のナビスコ杯準決勝第1戦・横浜FM戦(4-0)と同じメンバーで臨んだ。
 磐田は8-1で大勝した7日の天皇杯2回戦・サウルコス福井戦から先発2人変更。GK八田直樹、MF小林裕紀が先発し、GK川口能活とMFチョン・ウヨンがベンチに。日本代表DF伊野波雅彦もベンチスタートとなった。
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 18日に敵地でのACL準々決勝第2戦・アルシャバブ戦を控える柏。降格圏に沈む磐田からホームでしっかり勝ち点3を奪い、ACLへ弾みを付けたい一戦だったが、試合はまさかの立ち上がりとなった。

 磐田は前半5分、MFカルリーニョスの左CKをニアでDF藤田義明が頭でそらし、ファーサイドの菅沼駿がヘディングシュート。菅沼駿の今季初ゴールで先制すると、その2分後の前半7分には再びカルリーニョスの左CKから前田がDF近藤直也に競り勝ち、豪快なヘディングシュートをゴールネットに突き刺した。

 前田の2試合ぶり今季7得点目で2-0と突き放し、磐田が勢い付いた。前半12分、左サイドからMF山田大記がドリブルで仕掛け、キムを振り切ってマイナスに折り返す。フリーで受けた前田はドリブルで運んで右足を振り抜いたが、シュートはゴール右へ。同17分にもカルリーニョスのサイドチェンジを受けたDF駒野友一の右クロスにMF山本康裕がフリーで飛び込んだが、右足ボレーは枠を捉え切れず、ピッチに倒れ込んだまま頭を抱えて悔しがった。

 相次ぐ決定機を逃し、柏が徐々に流れを引き寄せる。前半27分、左クロスのこぼれ球をMF狩野健太が右足で狙ったが、シュートはゴールラインぎりぎりで駒野がクリア。同32分、FW田中順也の強烈な左足ミドルも八田の好セーブに阻まれた。その後も柏が押し込む時間が続いたが、磐田守備陣も粘り強く対応し、前半は磐田の2点リードで折り返した。

 柏はハーフタイムに狩野に代えてFWクレオを投入。クレオは1トップに入り、工藤が右サイドにポジションを移した。対する磐田は後半6分、山本康に代えて伊野波を投入。伊野波は左SBに入り、工藤とマッチアップする形に。DF宮崎智彦が左サイドハーフにポジションを上げ、山田が左サイドから右サイドに回った。

 しかし、流れは変わらない。柏は後半11分、右サイドのスペースでボールを受けたキムがアーリークロス。工藤が頭でそらしたボールを田中が左足で押し込み、1-2と1点差に迫った。一気に柏の追い上げムードが高まるかに思われたが、ここで磐田のエースが悪い流れを断ち切った。

 後半18分、ロングボールに反応したFW山崎亮平が近藤に競り勝って右サイドを突破。そのままドリブルで中に切れ込み、PA内へ進入すると、丁寧な横パスを前田が右足で流し込んだ。前田のこの日2ゴール目で3-1。再び2点差にリードを広げ、劣勢だった磐田が落ち着きを取り戻した。

 柏は後半30分、MFジョルジ・ワグネルに代えてFW澤昌克を投入。澤がトップ下に入り、田中が左サイドに移ったが、2点目が遠い。工藤が果敢に遠目からミドルシュートを狙うも枠を捉え切れなかった。磐田は後半36分、山崎に代えてMF松岡亮輔を投入。松岡は右サイドに入り、山田が中央で前田と2トップ気味になった。

 怒涛の反撃に出る柏だが、後半40分、工藤の右クロスに合わせたクレオのヘディングシュートもGKの正面。磐田の体を張ったディフェンスに跳ね返され、ACL準々決勝へ弾みを付けることはできなかった。3-1で逃げ切った磐田が7月10日の新潟戦(2-1)以来、10試合ぶりの白星。今季3勝目を挙げた。

 磐田はこの試合に勝てなければ、昨季から続くアウェーでの連続未勝利が17試合となり、98年から99年にかけて市原(現・千葉)が記録したJ1ワースト記録に並ぶところだったが、昨年9月15日の神戸戦(2-1)以来、1年ぶりとなるアウェーでの勝利を挙げ、今季アウェー初白星。順位は17位のまま変わらなかったが、勝ち点を19に伸ばし、残留圏となる15位甲府との勝ち点差を暫定で「6」に縮めた。

(取材・文 西山紘平)

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