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CKで2発演出のカルリーニョス、ネルシーニョ監督と“口論”も「ピッチは戦場」

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[9.13 J1第25節 柏1-3磐田 柏]

 今年8月に大宮から期限付き移籍でジュビロ磐田に加入したMFカルリーニョスが大仕事をやってのけた。CKから2ゴールを演出。いずれも左CKからアウトスイングのボールで柏ディフェンスの穴を突き、正確無比な左足でチームの勝利に貢献した。

 前半5分、カルリーニョスの左CKをニアでDF藤田義明が頭でそらし、DF菅沼駿哉がヘディングシュートで先制点。同7分の左CKでもカルリーニョスがゴールから遠ざかるボールを入れ、FW前田遼一が頭で合わせた。「練習どおりにできた。チームに決め事があって、詳しくは言えないけど、一つ目も2つ目もそれがうまくいった」。レフティーのブラジル人MFはそう言って胸を張った。

 8月4日に大宮から期限付き移籍で加入し、この日で5試合連続の先発出場。「これまでの4試合も先制したり、主導権は握っていた。リードを守れなかったところが問題で、今日の試合ではその課題を生かせた」。8月17日の湘南戦も同31日の甲府戦も先制しながら追いつかれて1-1ドロー。8月28日の新潟戦は前半を2-0で折り返しながら、後半の4失点で2-4の逆転負けを喫した。

 この日も2-0で折り返した後半11分に1点を返されたが、同18分に突き放す粘りを見せ、3-1で勝利。「今日の勝利自体はたった3ポイントかもしれないけど、上昇気流に乗れると思う」。昨季は大宮で残留争いを経験したカルリーニョスは「とにかく勝つことで正しい道に軌道修正できる。勝つことで、勝つ喜びを再確認できる。その意味で今日の勝利は大きい」と、自身の経験も踏まえ、この日の勝ち点3の重要性を強調した。

 試合終盤にはカルリーニョスのファウルに対し、ベンチを飛び出て抗議した柏のネルシーニョ監督とポルトガル語で言い合う場面もあった。「最初に向こうからきついことを言ってきたので、自分も言い返した。でも試合が終わったあとは普通に話をしたよ」。相手選手との小競り合いで熱くなるシーンもあった背番号50だが、残留争いを勝ち抜くにはそうした闘争心も必要だろう。「ピッチはある意味、戦場。闘い。熱くなるのは当然」と頼もしかった。

(取材・文 西山紘平)

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