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俊輔不在の中で殊勲の同点弾も…横浜FM兵藤「チームとして力が足りない」

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[11.10 J1第31節 横浜FM1-2名古屋 日産ス]

「俊さんがいない中で勝てないのは、チームしての力が足りていないということ」。MF兵藤慎剛は痛恨の敗戦をそう振り返った。

 開始早々にPKを献上し、1点を追いかける横浜F・マリノスは、後半開始とともに攻勢をかけると、兵藤が見事な同点弾を決めた。アシストは日本代表のベルギー遠征にも選出されたMF齋藤学だ。得意のドリブルでアタッキングサードに侵入すると、名古屋DFは人数があまっていながらその視線は齋藤に注がれた。その“間”をあざ笑うかのように齋藤はパスを選択し、名古屋DFラインの裏にいた兵藤へ。絶妙なトラップからGK楢崎正剛との1対1を迎えると右足でゴールに流し込んだ。「(齋藤)学がいいところにパスをくれて、トラップも完璧にきまった」。兵藤は名古屋DF陣を翻弄した今季7点目を自賛した。

 リーグ戦5試合連続無失点という守備陣が脚光を浴びる中、攻撃陣は最近5試合でわずか3得点とふるわない横浜FM。不調の攻撃陣に追い討ちをかけるように、チームの絶対的司令塔であるMF中村俊輔が今季初めて欠場した今節。それでも、個人技とコンビネーションからゴールを奪った。

 しかし喜びもつかの間、その2分後には名古屋にあっさりと勝ち越し弾を許すと、その後はゴールをこじ開けることができず、1-2で敗れてしまった。「点をとったのはすごいよかったですけど、勝ちにつながらなかったのは、意味がないかなと……」。殊勲の同点ゴールを決めた兵藤は肩を落とした。

 今日この後行われる試合で浦和が仙台に勝利すれば、首位は入れ替わる。それでも、齋藤は「そんなにネガティブにとらえるつもりはない」と言えば、兵藤も「残り3試合、下を向いていても意味がないので、勝ちきれば(優勝の)チャンスはある」と前を向く。

 首位横浜FMが敗れ、3位広島が引き分けた今節(2位浦和は19時キックオフ)。一方で4位鹿島が勝利し、横浜FMまで勝ち点3差にまで迫っている。「Jリーグは上と下との力の差がそんなにないリーグなので、1試合も気が抜けない。紙一重で勝てるかどうかが決まってくる」(兵藤)。混迷を極める優勝争いを制するのはどのチームか。泣いても笑っても残すところあと3節だ。

(取材・文 奥山典幸)

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