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優勝の瞬間をピッチで迎えた広島MF中島「サッカー人生に悔いなし」

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[12.7 J1第34節 鹿島0-2広島 カシマ]

 優勝の瞬間をピッチで迎えた。今季限りでの現役引退を表明しているサンフレッチェ広島のMF中島浩司は2-0とリードしていた後半アディショナルタイムからピッチに入った。

「ただただうれしかったし、選手としてピッチの上で終われたのは幸せなこと。監督も最後に花を持たせてくれたんだと思うし、その場をつくってくれたチームメイトあっての今日の試合だったと思う」

 優勝が決まる大一番の最後に出番を与えれてくれた監督、チームメイトに感謝した36歳は「最後までしびれる優勝争いができた。サッカー人生に悔いなしです。『北斗の拳』のラオウ状態です」と、人気漫画『北斗の拳』の登場人物であるラオウが最期に放った「我が生涯に一片の悔いなし」の“名言”をもじり、冗談交じりに振り返った。

 98年に当時JFLのブランメル仙台に加入した中島は02年限りで戦力外通告を受け、03年に市原(現千葉)へ加入。そこでイビチャ・オシム元監督から高い評価を受け、ボランチ、リベロをこなすユーティリティー性と確かな技術と戦術眼で05、06年のナビスコ杯2連覇にも貢献した。09年には広島に移籍し、昨季はリーグ初制覇を経験。この日、2連覇も達成し、J1通算195試合7得点、J2通算45試合2得点を記録した。

「クビになったあとも新しいクラブで学んだり、成長できた。それに感謝できる自分になった。子供が生まれたとき、たくさんの人にお祝いしてもらって、それだけ人の関係ができていたんだなと思った。たくさんの場所や機会を与えてもらえたのは幸せなことだし、今後もそれを生かして、いろんな人をつなげていきたい」

 浮き沈みも激しかった現役生活を「(試合に)出られないときにも、いいことしか考えてなかった。そうしていたから、最後にいいことが来たのかなと」と振り返る中島は、現役最後の大会となる天皇杯へ視線を向ける。「2014年が最高のスタートになるように、一番上を狙っていきたい」。自身、まだ獲得したことのないタイトルでもある天皇杯。リーグ連覇以上の有終の美となる2冠へ、残りわずかになった現役生活をまっとうするつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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