「責任を感じていた」、津田が11試合ぶりゴールで徳島をJ1に導く
[12.8 J1昇格PO決勝 京都0-2徳島 国立]
前半39分に先制点を奪った徳島ヴォルティスは、4分後の前半43分、右SBの藤原広太朗が前線にロングパスを出す。FW高崎寛之が頭でそらすと、ボールはGKとDFの間に上手く転がった。「最初はサイドに流れるイメージだったけど、すごくいいボールが来た。先に触ることに気持ちを切り替えた」。DF安藤淳との競争に勝ったFW津田知宏は右足アウトで流し込み、J1昇格をグッと引き寄せる2点目を奪った。
今季チーム最多の14得点を挙げた津田も終盤は“ゴール欠乏症”に苦しんだ。9月16日の第33節山形戦以降、結局リーグ戦は9試合連続無得点で終えることになった。「責任を感じていた」と語った津田。しかし準決勝では先制点を手繰り寄せるPKを獲得。決勝では11試合ぶりゴールと、POに臨む津田のなみなみならぬ思いが徳島を歓喜へと導いた。
2年前の悔しさもその思いに拍車をかけた。2011年11月27日のJ2第37節鳥栖戦。ホーム最終戦となったこの試合に勝利すれば、ほぼJ1昇格を手繰り寄せることが出来た。だが結果は0-3で完敗。J1昇格を争うライバルに敗れた徳島は、この敗戦を引きずった徳島は次の試合の最終節も落とし、4位でシーズンを終えていた。「その思いだけだったと言っても過言ではないです」。当時の悔しさは今でも忘れられない。
四国勢初のJ1昇格となり、14日にはJ1昇格祝賀会、水上パレードが計画されるなど、徳島は大盛り上がり。またこの日、カマタマーレ讃岐がガイナーレ鳥取とのプレーオフを制して来季のJ2昇格を勝ち取ったことで、四国サッカー界にとってはこれ以上ない日となった。津田も「なかなか注目され辛いという部分を感じていた。カマタマーレもJ2に昇格したので、もう少し盛り上がるんじゃないかな」と期待を寄せた。
来季J1を戦うことで津田の古巣名古屋グランパスとの対戦が待ち構えている。津田も対戦したいチームはとの問いには、「グランパスです」と即答。「高校時代からお世話になったクラブ。瑞穂や豊田スタジアムのピッチでプレーするのは自分にとっても小さいころからの夢でした。違うチームで戻れるのはサッカー選手として嬉しいこと。育ててくれたチームに自分の成長したところを見てもらいたい。対戦したい相手? やっぱり、楢さん(GK楢崎正剛)ですね。普段の練習でも一発もゴール決めたことないので」と対戦を心待ちにした。
(取材・文 児玉幸洋)
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J1昇格プレーオフ
前半39分に先制点を奪った徳島ヴォルティスは、4分後の前半43分、右SBの藤原広太朗が前線にロングパスを出す。FW高崎寛之が頭でそらすと、ボールはGKとDFの間に上手く転がった。「最初はサイドに流れるイメージだったけど、すごくいいボールが来た。先に触ることに気持ちを切り替えた」。DF安藤淳との競争に勝ったFW津田知宏は右足アウトで流し込み、J1昇格をグッと引き寄せる2点目を奪った。
今季チーム最多の14得点を挙げた津田も終盤は“ゴール欠乏症”に苦しんだ。9月16日の第33節山形戦以降、結局リーグ戦は9試合連続無得点で終えることになった。「責任を感じていた」と語った津田。しかし準決勝では先制点を手繰り寄せるPKを獲得。決勝では11試合ぶりゴールと、POに臨む津田のなみなみならぬ思いが徳島を歓喜へと導いた。
2年前の悔しさもその思いに拍車をかけた。2011年11月27日のJ2第37節鳥栖戦。ホーム最終戦となったこの試合に勝利すれば、ほぼJ1昇格を手繰り寄せることが出来た。だが結果は0-3で完敗。J1昇格を争うライバルに敗れた徳島は、この敗戦を引きずった徳島は次の試合の最終節も落とし、4位でシーズンを終えていた。「その思いだけだったと言っても過言ではないです」。当時の悔しさは今でも忘れられない。
四国勢初のJ1昇格となり、14日にはJ1昇格祝賀会、水上パレードが計画されるなど、徳島は大盛り上がり。またこの日、カマタマーレ讃岐がガイナーレ鳥取とのプレーオフを制して来季のJ2昇格を勝ち取ったことで、四国サッカー界にとってはこれ以上ない日となった。津田も「なかなか注目され辛いという部分を感じていた。カマタマーレもJ2に昇格したので、もう少し盛り上がるんじゃないかな」と期待を寄せた。
来季J1を戦うことで津田の古巣名古屋グランパスとの対戦が待ち構えている。津田も対戦したいチームはとの問いには、「グランパスです」と即答。「高校時代からお世話になったクラブ。瑞穂や豊田スタジアムのピッチでプレーするのは自分にとっても小さいころからの夢でした。違うチームで戻れるのはサッカー選手として嬉しいこと。育ててくれたチームに自分の成長したところを見てもらいたい。対戦したい相手? やっぱり、楢さん(GK楢崎正剛)ですね。普段の練習でも一発もゴール決めたことないので」と対戦を心待ちにした。
(取材・文 児玉幸洋)
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