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世界も注目する鹿島17歳MF杉本「小さいからこそできるプレーを」

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 帝京大可児高(岐阜)から鹿島アントラーズに加入するU-18日本代表MF杉本太郎は世界が注目する17歳だ。杉本は12年にイランで開催されたAFC U-16選手権イラン2012で3得点をマークするなど大会MVPに選出される活躍でU-16日本代表の準優勝に貢献。同年のAFC最優秀ユースプレーヤー候補にもノミネートされたMFは昨年もU-17日本代表として出場したU-17W杯UAE2013でゴールを奪うなど国際舞台で印象的な活躍を見せてきた。その活躍に注目しているのは国内のメディア、関係者だけではない。スポーツブランドのナイキ社からは元ブラジル代表の“レジェンド”ロナウド氏の後継者として、世界で15名の「若くて才能のあるフットボールプレーヤー」に指名。世界で計1998足のみのスパイク「MERCURIAL VAPOR」記念モデルを特別に贈呈されるなど、世界的にも注目を集めてきた。

 周囲からの注目には十分に慣れているMFだが、この日の新体制発表会見は少し勝手が違ったようだ。その緊張の度合いの高さは周囲にも伝わるほど。「あそこ(記者会見の壇上)に座ったら、頭真っ白になって自分が何言っているか分からなかったです(微笑)。試合よりも緊張しました」と明かしたが、それでも「チームの勝利に関わることができるように頑張る」と力強く誓った。

 高い評価を受けて鹿島入りするが、高校3年間について満足はしていない。昨夏の全国高校総体では8強進出を果たしたものの、中心選手のひとりとして期待され、ファイナリストになることを目標にしていたU-17W杯では決勝トーナメント初戦で敗れ、続く高校選手権も岐阜県予選準決勝で敗退して最後の全国舞台を踏むことができなかった。「鹿島に入れて嬉しい気持ちもあったんですけど、高校生活は(U-17)代表でもベスト16で終わってしまって、選手権も出られないということが続いてしまって嬉しい気持ちよりも悔しい気持ちの方が強い高校生活になっちゃいました」。

 その悔しい思いもバネにプロで飛躍する。160cm台前半と小柄だが、ポジショニングの良さと動き出しのスピード、質の高さは秀逸。鋭いターンでDFを振り切り、決定的なラストパスやシュートで試合を決める。プロのDFとの体格差は不安視されるが「昔から小さかったので今さらって感じですね」と気にしていない。小さくても国際舞台で評価を高めてきたMFは「相手に触れられないところでボールを受けて、そこからゴールにつながるプレーをしたいと思います。前を向いた時とかは(プロ相手でも)やれるなと感じているんですけど、止まって受けたりしてプレッシャーをモロに受けると身体が小さい分、やられてしまうのでボールを受ける前の動き、判断力を上げるために(より)周りを見て情報を入れていかないといけないと思っています」と前を向いた。「小さいからこそできるプレーを見てもらいたい」と力を込めた杉本。その経験と、“小さいからこそできるプレー”で鹿島でも注目される存在となる。

(取材・文 吉田太郎)
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