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リオ五輪目指す神戸FW松村がJ1初ゴール「自分の名前を売りたい」

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[3.2 J1第1節 川崎F2-2神戸 等々力]

 プロ2年目の19歳FWが開幕戦で大仕事をやってのけた。ヴィッセル神戸は1-2の後半28分に2人を同時交代。FW松村亮とMF高柳一誠がピッチに入ると、試合終了間際の後半アディショナルタイムだった。

 松村がMF森岡亮太に預け、ゴール前に走り込む。「あいつとはいいイメージが共有できている」と話す森岡がワンツーとなる絶妙なスルーパス。冷静にボールをコントロールした松村は右足でゴール左隅に流し込み、劇的な同点弾となった。

「(森岡)亮太くんに出したらビックリするぐらいうまく返ってきた。落ち着いてトラップして、シュートまで持っていけた。ワンチャンスをモノにできたので大きいと思う」

 神戸U-18から昨季、トップチームに昇格し、J2で9試合出場1得点。高校3年生だった02年も2種登録選手としてJ1の1試合に出場し、ナビスコ杯ではゴールも決めていたが、J1では待望の初ゴールとなった。「J1では初ゴール。しかも開幕戦。これはデカいです。素直にうれしかったし、アウェーだったので、引き分けでも十分大きいと思う。次はホームで取りたい」と興奮気味に話した。

 昨季限りで現役を引退した吉田孝行氏から背番号17を受け継いだ。「意識はあります」と言いながらも、「そんなに重くはない。自分のプレーをして、今日みたいに結果を出していけば、17番も自分のモノになると思う」と力を込める。

「自分は2年目から活躍することが多い。高校生のときも2年で結果を出して、プロへの道ができた。今年もいいスタートを切れたし、これに浮かれることなく、自分の仕事を頭に入れて、チームの勝利に貢献したい。今年も2年目で結果を出して、オリンピックがあるので。自分のステップアップにつなげたい」

 2016年のリオデジャネイロ五輪を目指す世代でもある松村だが、まだまだアピールが必要なことは自分自身がよく分かっている。「自分はこれまでユース代表で活躍していない。結果を出して、自分の名前を売りたい。J1だし、チームで結果を出せば、必然的に目に留まると思う」。キャンプ中には神戸の視察に訪れたU-21日本代表の手倉森誠監督のもとへ自分から挨拶に行き、名前を“売り込む”など、ピッチ内外で貪欲にアピールしている。

 報道陣から今季の目標ゴール数を聞かれると、「数字の目標は決めてなかったけど、1点取れたので……」と一瞬、「10点」と言いかけて「5点ぐらいですかね」と答えた。「10って言いかけなかった?」と突っ込まれ、「じゃあ10で。今、決めました」と笑った19歳。クラブ期待の新17番が、大型補強を敢行したチーム内の競争をさらに激しくしていく。

(取材・文 西山紘平)

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