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途中出場でインパクト残した甲府MF水野「何をすべきか分かっている」

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[3.8 J1第2節 F東京1-1甲府 味スタ]

 前半開始早々に失点し劣勢に立たされると、その後も攻撃の形をつくれなかったヴァンフォーレ甲府。しかし、背番号29がピッチに投入されると躍動感のある攻撃を繰り出し、FC東京のゴールを脅かし始めた。後半13分にピッチに送り出されたMF水野晃樹は自らの役割を十分に理解していた。

「自分が出るタイミングは勝ちに行くときだと思っているし、それは僕が出ることでチーム全体にも伝わると思っています。時間が経過するにつれて全体が間延びして、カウンター気味になりやすい試合展開だったので、スペースが出きて自分の良さが生きると思った。自分の特長はキックやロングスローなので、そういうところを存分に出していきたかった」

 2つの特長を存分に発揮したのが、1点のリードを許して迎えた72分の同点ゴールの場面だった。敵陣深くでスローインを得ると、水野がボールを手にする。ゴール前に送ったロングスローは走り込んだMFマルキーニョス・パラナに届き、絶好機を迎える。シュートはポストに弾かれるが、そのボールが水野の下へと転がってきた。

「イメージは盛さん(FW盛田剛平)の頭を狙ったつもりだったからクロス自体はミスキックだった。でも、それをクリス(FWクリスティアーノ)がうまく合わせてくれた」

 右足から蹴り出されたボールは鮮やかな軌道を描いて、ゴール前で待つクリスティアーノへと届く。今季、加入したブラジル人アタッカーが右足で合わせると、貴重な同点ゴールがネットに突き刺さった。さらにその後もロングスローで好機を演出し、右サイドからの正確なパスでクリスティアーノやMF福田健介に決定機をプレゼントするなど、得点には結びつかなかったものの持ち味を存分に発揮。劣勢に立たされていたチームに、今季初の勝ち点をもたらした。

 開幕戦では90分間ベンチを温め、この試合でもベンチスタートとなったが、水野の視線は上を向いている。「自分も28歳になり、若手に比べれば経験もあるし、途中出場したら何をすべきか分かっているつもりです。こういうプレーを続けていけば、(試合の)頭からという話も出てくると思っています」。途中出場ながらも十分なインパクトを残した男は、先発出場の機会を虎視眈々と狙っている。

(取材・文 折戸岳彦)

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