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浦和で2年ぶり先発も…ミスから失点のDF濱田「結果が欲しかった…」

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[3.8 J1第2節 浦和0-1鳥栖 埼玉]

 2年ぶりに浦和レッズの一員として立った埼玉スタジアムのピッチで、あらためてサッカーの怖さを痛感させられることになった。昨シーズン、新潟へ期限付き移籍していたDF濱田水輝が浦和の選手としてリーグ戦で先発したのは、2012シーズンの第33節以来。奇しくも、この時の対戦相手もサガン鳥栖であり、1-3と敗れていた。新潟での1年を経て、成長した姿を見せたい濱田だったが、自身のボールロストから失点。試合後は「内容的には悪くなかったのですが、あの失点…。シュート3本しか打たれていなかったのに負けてしまって残念です」と、唇を噛んだ。

 序盤からボールを保持していた浦和だったが、一瞬のミスを突かれる。GK西川周作を交えたボール回しの中で、右サイドに開いていた濱田に浮き球のパスが出る。「周作くんから(ボールが)来たときに、厳しいなと思っていたんですけど…」という濱田は、プレスを掛けに来ていた相手をトラップでかわそうと試みる。しかし、ボールが相手に引っ掛かり、一気にカウンターを受けることとなった。

 失い方の印象が悪かったが、濱田自身は、その後の場面の方が大きな問題だと悔やむ。「そこでボールを失ったこともですが、そのあとに森脇くんとの連係が悪くて、相手に簡単にセンタリングを上げさせてしまった。そのことの方が、個人的にはミスかなと。センタリングが上げられたときも、多分、中で誰も競っていなかった。そういうミスが重なって、失点してしまったので、個人的に悔しいです」と、肩を落とした。

 その後、浦和は猛反撃に出るものの、最後までゴールを挙げることはできなかった。「他には(ピンチも)なかったし、崩されたシーンもなかった。本当にあれだけしかなかったのに、あれだけでやられてしまったのが、すごい残念です」。

 今季、浦和の初失点に絡んでしまった濱田だが、久しぶりの埼玉スタジアムで得たのは、悪い感触だけではない。後半10分にDF永田充がベンチに下がってからは、中央に入り、最終ラインをコントロールした。「前半は、もう少しラインコントロールができればよかったのですが、右サイドにいたこともあって、声が届かないところがありました。もっとラインを高くして、コンパクトにして、ボールを奪ってから速い攻撃をしたかったのですが、声が届かなくて。後半、中に入ってからは比較的ラインを高くキープできたのかなと思います。そういうところも含めて、もっとチームとして連係を高くしていきたいです」と、手応えと課題を口にした。

 また、高さのある豊田との競り合いにも、競り勝って攻撃の基準点をつくらせなかった。「あそこが起点になることはわかっていたので。最初の競り合いでは負けてしまったのですが、ほかの場面は僕以外もみんな結構勝てていたと思うので、相手に起点をつくらせることなかったと思うし、比較的よく守れていたと思うのですが、やっぱりミスから失点してしまったので。立ち上がりだったからこそ、簡単に、僕のところでも蹴ることができましたし、一個前の周作くんのところでも、もう一つ前に付けることもできたと思います。チームとして、最初だからこそゼロで行くということを意識していれば、よかったかなと思います」。

 2年ぶりに立ったホーム、埼玉スタジアムの雰囲気については「久しぶりっていう感じがしました。4万人も入ってもらったのに、結果が出せなくてすごく申し訳ないですけど、やっぱりこの雰囲気の中で試合ができるのは、幸せだなと感じました」と振り返った濱田は、手応えがあったことを認めつつも、「結果が欲しかったので、すごく悔しいです。でも、もっとできると思うし、次、頑張ります」と、最後まで敗戦を悔やんでいた。

(取材・文 河合拓)

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