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クラブ存続の危機を乗り越えた福島「試合ができることに感謝」

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[3.9 J3第1節 長野1-0福島 味フィ西]

 J3初陣はほろ苦いものに終わった。昨季のJFL王者であるAC長野パルセイロの前に、福島ユナイテッドFCのシュートはわずか3本に抑え込まれた。試合内容でも長野に圧倒され、大半の時間を守備に費やされたまま福島の選手たちは試合終了のホイッスルを聞いた。だが、今季から福島を率いる栗原圭介監督は「残念」と語りながらも次節以降への可能性も話した。

「選手たちは本当に一生懸命戦ってくれたので、その部分には満足しています。ただ立ち上がりから緊張もあり、これまでやってきたことができなかった部分があったし、気持ちが守りに入ってしまい押し込まれてしまった部分もあったので、そこは少し残念に思います」と開幕戦で見えた課題を語った。だが直後には「今日J3の試合を経験できたし、長野の強さも肌で感じられました。選手とともに一歩ずつ強くなれるように次節に向けてやっていきます」と前向きなコメントを残した。

 東日本大震災により、クラブの存続も危ぶまれた。しかし「いろいろな方が尽力して、ここまでチームを作り、築き上げてくれました」と栗原監督が語ったように、多くの人に支えられながらJ3の舞台へとたどり着いた。試合前には「今日ここで試合ができることにみんなで感謝しよう。ここで試合ができるという意味合いを受け止めて、本当に感謝して自分の全力を出してほしい」と選手に伝え、ピッチに送り出している。

 長野戦でも福島からサポーターが駆け付けたように、チームは多くの人の思いを背負いながらリーグ戦に挑んでいる。だからこそ「開幕戦だからというわけではなく、私たちは一年を通して、これからも感謝の気持ちを持って試合に臨みます」と栗原監督は語った。初勝利こそ持ち越しとなったが、次節はホーム開幕戦を迎える。福島県民の目の前でJ3初白星をプレゼントするため、開幕戦で見えた課題を修正しつつ、次節の盛岡との東北ダービーに挑む。

(取材・文 折戸岳彦)

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