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緊急出場の仙台DF武井「驚く時間もなかった」

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[4.12 J1第7節 横浜FM0-2仙台 日産]

 何やら様子がおかしい。ベガルタ仙台の先発メンバーに名を連ねているはずのDF菅井直樹の姿が見当たらず、その代わりにDF武井択也が試合前の整列に加わっていた。アップまでこなしていた菅井が足に違和感を覚えたため、急きょ背番号27に出番が回ってきたのだ。

「試合の5分、10分前に言われました。先発組がアップから引き上げてきて。そうしたら菅井さんが出れないかもと。俺はアップもほとんどしていなかったので、正直驚きました」と話したように急きょ試合に出場するだけでなく、本職ではない右SBでの起用となった。本人も「ナビスコでは右SBで出ましたけど、練習でも全然やっていませんでした」と語ったが、「ただ驚く時間もない間に試合が始まったので、そこまで迷えずに試合に入れましたね」と続けた。

 対峙する相手は日本代表のMF齋藤学。キレのあるドリブルを仕掛けてくる横浜FMの切り込み隊長とあって、「スピードがある選手なので、裏を取られると一気に置いて行かれると思った」と十分な警戒を示していた。そして対応策もきっちり練られていた。「できる限り自分の前に置いて、足下に入ってもスピードに乗らせなけらば簡単にはやられないと思った」。

 この日の仙台はラインを高く設定して、前線からプレスを掛けてボールを奪った。その分、最終ラインの裏にはスペースがあり、「正直、メチャクチャ怖かったですよ、俺は。齋藤選手はスピードがあるので」と振り返ったが、「でも常に(渡辺)広大や(鎌田)次郎が声をかけてくれたし、自分の前にいる(太田)吉彰くんが守備に走ってくれたので本当に助かりました」と語ったように、チームメイトと齋藤封じを成功させている。

 今季G大阪から完全移籍で仙台に加入したが、リーグ戦での出場は途中出場に限られていた。「今まで勝てなかった中で勝てたので、負の連鎖が止まったと思う。チームも勢いに乗るだろうし、勝てたことで一人ひとりが自信を持ってプレーできる回数が増えてくると思う」と今季初先発で収めた初勝利がチームにもたらすものは大きいと語った。DF石川大徳も負傷離脱中で今後も右SBでの起用があるかもしれないが、「頑張ります。緊急登板に備えておきます」と笑顔を見せた。

(取材・文 折戸岳彦)

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