beacon

神戸が10人の鹿島に逆転勝ち!!4連勝で暫定首位に浮上

このエントリーをはてなブックマークに追加
[4.19 J1第8節 鹿島2-3神戸 カシマ]

 J1第8節は19日、各地で8試合を行い、カシマスタジアムでは2位鹿島アントラーズと3位ヴィッセル神戸が対戦した。2度のリードを許した神戸だが、後半20分に鹿島DF青木剛が退場すると、同22分、24分の連続ゴールで3-2の逆転勝利。4連勝で勝ち点を17に伸ばし、明日20日に試合を控える広島を抜いて暫定首位に浮上した。

 鹿島はFWダヴィが出場停止明けで先発復帰。そのほか、前節・新潟戦(1-2)からは2列目の左サイドでMFカイオに代わってMFジャイールが16日のナビスコ杯・仙台戦(2-1)に続いて先発し、リーグ戦では移籍後初先発となった。
 3連勝中の神戸はMFシンプリシオ、FWペドロ・ジュニオールの主力2選手が負傷欠場。ボランチではMF橋本英郎が今季リーグ戦初先発となり、2列目の右サイドではFW小川慶治朗が2試合ぶりに先発した。
[スタメン&布陣はコチラ]

 93年から鹿島のスタジアムDJを務めてきたダニー石尾さんが15日に逝去。キックオフ前に黙祷も捧げられた追悼試合は、鹿島がいきなり先制点を奪った。前半7分、中央からMF柴崎岳の縦パスをMF小笠原満男がワンタッチで流し、MF土居聖真がドリブルで仕掛ける。こぼれ球をもう一度拾った土居が左サイドに展開し、ジャイールが右足でクロス。これをファーサイドでフリーになったMF遠藤康が左足ボレーで叩き付け、ゴールネットを揺らした。

 遠藤の6試合ぶりとなる今季4得点目で幸先よくリードを奪うと、前半10分にも右CKから小笠原がマイナス方向に蹴り、PA手前の遠藤のトラップから左足ボレー。しっかりと枠を捉えていたが、ここはGK山本海人のセーブに阻まれた。その後も鹿島が優勢に試合を進め、神戸はなかなかチャンスをつくれずにいたが、セットプレー1本で同点に追いついた。

 前半25分、左45度の位置からのFK。MFチョン・ウヨンが右足で直接狙ったボールは壁を越えてゴール左上隅へ。懸命に腕を伸ばしたGK曽ヶ端準の手も届かず、鮮やかにゴールへ吸い込まれた。チョンは前節・徳島戦(3-0)に続く2戦連発となり、試合を振り出しに戻した。

 それでも、追いつかれた鹿島がその後も試合の主導権を握る。前半34分、ジャイールの左クロスから再び遠藤がファーサイドに走り込み、左足で合わせたが、ゴール上へ。同36分にはオーバーラップしたDF伊東幸敏がそのまま左足でミドルシュートを狙った。同39分にも土居の右クロスにダヴィが右足ボレーで合わせたが、DF奥井諒が体でブロック。前半アディショナルタイムにはPA内でボールを受けたダヴィが個人技で仕掛け、左足でシュートを打ったが、山本のビッグセーブに阻まれた。

 再三、神戸ゴールに迫りながら勝ち越しゴールを奪えなかった鹿島だが、1-1のまま折り返した後半、意外な形で得点が生まれた。後半9分、ハーフウェーライン付近からの遠藤のスルーパスにダヴィが反応。しかし、ダヴィがオフサイドポジションにいたとして副審の旗が上がった。これを確認したダヴィを含め、両チームの選手はプレーを止める。そして、ゴールを離れてボールに追いついたGKの山本がオフサイドのあった位置に向かって軽く蹴り出した。ところが、中村太主審はまだ笛を吹いておらず、インプレー中だった。すかさずボールをカットしたダヴィが無人のゴールに左足で流し込み、鹿島の得点。神戸の選手は中村主審に抗議したが、判定は変わらず、鹿島が2-1と勝ち越した。

 悔やまれる形で失点した神戸だが、後半20分、右後方からのFKをチョンがゴール前に蹴り込むと、DF増川隆洋と競り合ったDF青木剛が高く上げた左手にボールが当たり、ハンドの反則でPKを獲得した。青木は2枚目のイエローカードとなり、退場。このPKをFWマルキーニョスがゴール右隅に流し込み、エースの4戦連発となるゴールで2-2の同点に追いついた。

 さらにCBが退場し、10人となった鹿島の穴を突いた。同点ゴールから2分後の後半24分、チョンの縦パスを小川が落とし、マルキーニョスが左クロス。これをゴール前に走り込んだ小川がヘディングで叩き込み、3-2と逆転した。鹿島は直後の25分にジャイールに代えてDF山村和也を投入したが、対応が遅れた。後半26分には小笠原に代えてMFルイス・アルベルト、同29分には土居に代えてMF本山雅志を投入し、5分間で3枚の交代カードを使い切った。

 10人で必死の反撃に出る鹿島だが、逃げ切り体勢に入った神戸の粘り強いディフェンスに跳ね返され、同点に追いつくことができない。そのまま2-3で敗れ、今季初の連敗。4試合連続の3ゴールで4連勝を飾った神戸が上位対決を制し、暫定首位に立った。

(取材・文 西山紘平)

TOP