[5.3 J1第11節 横浜FM2-0G大阪 日産]

　守護神は歯がゆさをにじませていた。前節まで2試合連続の2失点で、チームは2連敗。横浜FM戦では前半こそ無失点に抑えたものの、後半に入ると立て続けに2点を奪われてしまう。ガンバ大阪のGK東口順昭は、チームを3試合ぶりの勝利に導けなかったことを悔やんだ。

　前半の出来はチームとしても決して悪くはなかった。それは東口自身も感じている。「試合の入りは良かった。球際でも勝負できていて、前半はセカンドボールも拾えていた」。しかし、横浜FMの守備を崩し切れずにスコアレスのまま試合が進むと、後半7分と同16分に失点を喫してしまう。「相手の守備も良かったのでカウンターを警戒していたのに失点してしまい、1失点目を引きずったままセットプレーで2点目を奪われてしまった。そこは修正しないといけない」と唇を噛んだ。

　3試合連続2失点となった守備陣の課題を挙げると「しっかり戻ることができているし、人にはしっかりつけているのに、その中で失点してしまう。セットプレーでの失点も続いているので、最後の球際での強さや一人ひとりの集中力が大事」と語った。さらに「ディフェンスの選手が相手選手に寄せられているかも大事なので、そこは僕もしっかりコーチングしないといけません。もう一度ディフェンスラインの選手と話をして、守備を突き詰めていかないといけないですね」と話した。

　今季、新潟から加入すると開幕スタメンを飾り、ここまで全試合フル出場を続けている。しかし、開幕から11試合をこなしたが、まだ連係面やコミュニケーションでの課題も感じているようだ。「ゴールを決められたら僕の責任なので、しっかりとチームメイトと話をして、もっと守りやすい状況を作っていく必要があります。僕のことを完全に理解してもらえていない部分もあると思いますが、そこで自分が何も言わなければ相手にも伝わらない。ピッチ上でどう考えているかもっとを伝えて、さらにコミュニケーションを深めていきます」。

　新天地でなかなか結果が出ない状況に「移籍したら苦しい時期はあると思っていたけど、ここまでとは思っていなかった。もどかしいし、苦しいです」と話したが、下を向いているわけにはいかない。「ここを乗り越えることに意味があるし、もがいて自分なりに良くなるように頑張っていきます」。苦しんだ分だけ強くなれると信じ、守護神は次の試合に視線を移した。

(取材・文　折戸岳彦)

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