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国立最終戦で零封の城福監督「光栄に思う」

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[5.6 J1第12節 甲府0-0浦和 国立]

 チームは指揮官の狙いを遂行した。ヴァンフォーレ甲府城福浩監督はある程度の割り切りを持って、この試合に臨んでいた。相手は首位の浦和レッズ。Jリーグを代表する強豪クラブから勝ち点を奪うためには――。

「浦和は個のレベルが高く、試合を支配することができます。だから、その良さを出させない90分間にしないと勝ち点は奪えない」。相手の良さを消す。それが勝ち点獲得への近道であり、「シュートを打たれはしたが、選手たちは気持ちの入ったプレーでゼロに抑えてくれた。そのことを評価したい」と首位チームを零封した選手たちに賛辞を送った。

 確かに序盤から浦和にボールを支配された。しかし、ただPA内に引きこもって守備を固めるだけではなく、「守備をするにしても前から行くことを意識させた」と語っている。それは浦和のセットプレー対策にもつながっていた。「浦和のセットプレーはキックの精度が高いし、ゴール前に勇気を持って入っていける選手たちがいる。押し込まれる時間帯が長ければ長いほどCKの数が増えてしまうので、前への意識を持たせた」。

 90分間集中力を切らさない守備で狙いどおりの零封へと導いたが、守備に時間を割いたことで攻撃面ではほとんど見せ場を作れなかった。今後に関しては「カウンターができなかったときに、一呼吸つけるような時間帯を増やしていきたい。(新加入の)クリスティアーノがフィットするまでに時間が掛かっているが、話し合いを続けて良い部分を出せるようにしていかないといけない。彼がゴールに絡む、攻撃のキーマンになってくれないと我々も厳しいですからね」と話している。

 また、改修前の国立競技場での最後の監督会見を行った指揮官は国立への思いも語った。「サッカーをやっている以上、国立でプレーするのは夢で、僕もここでプレーすることをイメージし続けていました。そのような舞台で、最後の2チームとして戦えたことは光栄に思います」と聖地でのラストマッチを振り返った。

(取材・文 折戸岳彦)

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