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初タイトルも…再び味スタで悔しさを募らせた湘南MF永木「勝って優勝したかった」

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[10.11 J2第36節 東京V 0-0 湘南 味スタ]

 クラブ史上初のJ2優勝が決まった瞬間も、湘南ベルマーレのほとんどの選手たちは喜ぶ素振りを見せなかった。0-0で終わった東京V戦を振り返り、MF永木亮太は「やっぱり勝って優勝したかったし、内容も良いか悪いかで言えば悪かった。自分たちらしさが90分間通して出せなかった」と、悔しがった。

 そして「試合が終わって、みんなの顔を見ると、満足していなかった選手がたくさんいたので。やっぱりうちの選手は、結果だけじゃなくてプロセス、内容を求めているチームだと、あらためて分かった」と言い、ようやく笑顔を見せた。

 今シーズン、開幕14連勝でJリーグ記録を更新した湘南は、リーグ前半の21試合で勝ち点60を挙げる圧倒的な強さを見せた。第3節の札幌戦で首位に浮上して以来、他を寄せ付けずに6試合を残して優勝を決めた。

 昨季終了後には、他クラブからオファーを受けた永木だが、J2で戦うチームに残った。その理由を「チョウさん(チョウ・キジェ監督)と1年でJ1に復帰させたいという想いがあった。そのために、少しでも力になれればなという気持ちで、このチームに残りました」と、説明した永木は、「3年間で2回昇格した監督の下で、自分が力になれたことは、すごく嬉しいですね」と、徐々に昇格の喜びを感じ取ったようだ。

 この日の試合が行われた味の素スタジアムは、昨年11月23日、湘南がFC東京に敗れてJ2降格が決まった屈辱の場所でもある。1年前の教訓について、「サッカーは、甘くないスポーツ」と話した永木は「目標を掲げていても、なかなか達成できないことが多く、自分のサッカー人生もずっとそうでした。でも、一つクリアーしたので、これを弾みにしたい」と、今後への糧にしたいと言葉を続ける。

「これからのサッカー人生の方が自分にとっては大事だから、もっともっとレベルアップしたい。来季はJ1ですけど、そこでどれだけ自分のレベルも、チームのレベルも上げるかということが、一番大事だと思います」

 昨シーズン味わった悔しさを、J2優勝という結果に結びつけた永木は、再び味わった悔しさと大きな手応えとともに、来シーズンJ1に挑む。

(取材・文 河合拓)
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