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古巣から決勝弾の横浜FM藤本「うれしいけど複雑」

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[10.18 J1第28節 横浜FM1-0清水 日産]

 久し振りのゴールに喜びを表しながらも、複雑な表情を見せた。筑波大から05年に清水に加入してプロ生活をスタートさせた横浜F・マリノスMF藤本淳吾。今季、横浜FMに加入して、この試合で迎えたのが16位と降格圏に沈む古巣の清水だった。

 前半からボールに積極的に絡み、サイドハーフの位置で先発しながらもボランチの位置まで下がって攻撃を組み立てた。これは、予定どおりと藤本は話した。「(ボランチの)兵藤(慎剛)が前に行って戻れなかったときは、俺が下がるという話をしていました。後ろに下がって攻撃を組み立てるイメージはあったので、スムーズにできたと思う」。

 そして、スコアレスで折り返した後半13分に先制点を叩き込む。DF中澤佑二が縦パスを打ち込むと、MF兵藤慎剛が相手DFを引き連れてボールに向かいワンタッチで藤本へと流す。ボールを受けた背番号25は、ゴール中央に向かいながらシュートのタイミングを見計らい、左足を振り抜いた。

「兵藤にボールに行ってほしいと話をしていたし、そこでフリックしたボールを受けて前を向いてシュート。ボールをもらう前からイメージできていました」。左足から飛び出したボールは相手DFに当たってコースが変わり、ゴールマウスに吸い込まれる。すると、ベンチに向かって走り出し、前々日の16日に第1子が生まれたばかりの兵藤をチームメイトとともに揺りかごダンスで祝福した。「ミーティングで『やろう』と話していました」と笑顔を見せた。

 自身にとって第3節徳島戦以来、今季3点目が決勝点となり「本当にサポーターには申し訳ないと思っています。ただ、久し振りの得点でうれしかった」と久し振りのゴールを喜びながらも、複雑な表情を見せた。その久し振りの得点が、降格圏に沈む古巣からの得点となったからだ。

「不思議な感じです。うれしいけど本当に複雑。相手が清水だったから…。でも、俺はこれを続けられるように頑張りたい」と、苦しむ古巣への気づかいを示しつつも、残り6試合でのさらなる爆発を狙っている。

(取材・文 折戸岳彦)

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