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“勇退”甲府城福監督が涙のあいさつ「J1残留はサポーターの力」

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[11.29 J1第33節 甲府0-0F東京 中銀スタ]

 前節、今季のJ1残留を確定させていたヴァンフォーレ甲府は29日、FC東京とのホーム最終戦に臨み、0-0で引き分けた。被シュートを3本に抑えた甲府だったが、シュート10本が空砲に終わった。12月6日の最終節は甲府は敵地でこれまでの対戦で一度も勝利していない清水と、F東京はホームで横浜FMと対戦する。

 試合後のホーム最終戦セレモニー。今季限りでの退任を表明している城福浩監督の目から涙がこぼれた。

「1年目のJ2の時には5月に9位まで落ちました。昨年は8連敗も経験しました。そして今年、(残留を争う)大宮との直接対決で負けて、34節で(残留を)決めなければいけないと覚悟しました。そういう苦しい時に我々の背中を押してくれたのが、ゴール裏をはじめとするサポーターでした。彼らの力がなかったら、2年連続J1での戦いはなかったと思います」。そう話すと、城福監督は深々と頭を下げた。

 イタリア語で地方都市の中小クラブを意味する「プロビンチャ」という表現を繰り返し、地方クラブの可能性を説き続けた城福監督。J2だった2012年から指揮を執ると、J2記録となる24戦不敗記録を樹立するなど、圧倒的な力を見せつけ、J2優勝、J1昇格を果たした。

 翌年、J1に復帰すると、中盤戦の戦いで苦しみ、8連敗を喫した。だが、終盤チームを立て直すと、最終的にはJ1残留圏ぎりぎりの15位でシーズンを終えた。

 迎えた今季は、開幕戦が記録的な大雪で国立競技場開催となるなどのアクシデントに見舞われたが、粘り強い戦いを続け、先日の第32節で来季のJ1残留を確定。3季連続J1で戦うことは、甲府にとっては初のことになる。

 勇退という形で退くことになる城福監督。「3年前に初めて甲府に来た時に思ったのが、自分がこの地を出るときにどういった形で出るのだろうか。多くの監督と同じように、追われるように出ていくのではないか。半分以上、そう覚悟していました」と話すと、最後は「私が監督退任のあいさつをするのは初めてです。360度青く染まったスタジアムで出来ることを神様に感謝したい」と感謝の言葉で締めくくっていた。


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